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MINALIMAが語る『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使の誕生』のデザインワーク

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 この度、公開された映画「ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使の誕生」の関連書籍が株式会社ハーパーコリンズ・ジャパンから発売された。発売に先立ち、同映画の小道具および書籍デザインを担当した MINALIMAが来日。映画や小道具、そして書籍への思いを熱く語った。

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(MINALIMAのお二人)
- ユニットの結成のきっかけは?

MINALIMA 私たちは『ハリー・ポッター』シリーズすべてのグラフィックデザインと小道具デザインを担当したのですが、シリーズが終わった時、これでおしまいにするのは信じられない、今後も一緒に魔法を作っていかなければいけないと思いました。クリエイティブな仕事をするとき、別々で活動するより、一緒にやった方がうまくいく、素晴らしいものができると学んだからです。
 理由はもう一つあります。ハーパーコリンズ社から書籍を出してほしいという仕事の依頼が数多くあり、一緒に活動する機会が増えていきました。そのこともきっかけになっています。


- お二人で意見が対立したことはありますか?

MINALIMA 最初のうちはデザインの方向性について意見が異なることもありました。LIMAの方がカラフルな感じが好きで、MINAはよりエレガントで上品なデザインが好きでした。それが今はとてもよく混ざり合っています。もちろん、美しいデザインへのこだわりは二人とも持ち合わせていますので。

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(インタビュー中も笑顔で話されるお二人)
- 映画のグラフィックデザインを手掛ける方が、書籍デザインも担当するのは、珍しいことだと思います。どんな経緯があったのですか?

MINALIMA 最初は、商業目的で書籍をデザインすることに躊躇しました。映画の世界の書籍と実際の世界の書籍では違うと感じていたからです。
 しかし、『ハリー・ポッター』、『ウィザーディング・ワールド』の世界に関わったメンバーは、それだけで、家族のように思えるところがありますので、全てに関わりたいと思い書籍も担当することにしました。

 私たちが最初に手がけた作品は『ハリー・ポッター・フィルム・ウィザードリー』という作品で、米国のハーパーコリンズ社からの依頼でした。私たちは、映画の撮影現場を見ていましたので、他の方は持ち得ない素材や情報を持っており、作品の世界を深くお伝えできると思っていました。これまでに、ハーパーコリンズ社から9作品を出版していますが、すべて好評です。


- 最新作でお二人がこだわったところ、お気に入りのページは?

MINALIMA 映画においてもいえることですが、主人公が使っていた道具や重要なシーンの背景デザインだからといって特別扱いはせず、その逆もしかりです。書籍を開くと、すべてのページがデザインされつくしていると感じてもらえると思います。書籍では、映画よりもっと詳細に伝えられるようにこころがけました。ただ、読者の皆様にとって表紙は特別だと思います。そのため、表紙には多くの時間を費やしてデザインしました。また、映画において重要な役割を持つモチーフを表紙に使っています。今作では、「アーカイブ(記録室の保管箱)」がそれにあたります。

 映画でも一緒なのですが、新しいウィザーディング・ワールドの魔法の感じやワクワク感は毎回新しく作られるものですので、今回も新たな魅力を感じていただけると思います。今回は、フランスの魔法省やサーカスが出てきます。特にサーカスはポスターをたくさん作っていますので、バリエーション豊かにご覧いただけると思います。

- 楽しみになってきました。

MINALIMA 最初の映画を好きになった方は、今作はその10倍楽しんでいただけると思います。今作では、さらにドラマが深く展開していきます。


- 映画の中で使われた小道具のレプリカが書籍についてくるのですか?

MINALIMA いくつか重要なものがあります。一つは、前述のサーカスのポスターです。全く新しい世界ですのでお楽しみください。もう一つは、クリーデンスの養子縁組証明書、こちらも重要なものです。もう一つは、ニュートがフランスに行くときにダンブルドアが渡す名刺。もしフランスで困ったことがあったらこの人を頼りなさいと言われます。それがニコラス・フラメルで、物語がつながっていきます。それからもうひとつ、ニュートの魔法省のIDカードが入っています。
 また、映画の1作目は、ニュートが魔法動物たちの本を書いているところですが、2作目は、その本が発売されたところですので、刊行記念のカードも入っています。

- とてもレアなものばかりですね。

- 脚本から小道具をデザインするにはかなりの想像力が必要だと思います。どのようにデザイン案を膨らませたのでしょうか?

MINALIMA この映画は、『ハリー・ポッター』シリーズに登場したニュートの著作『幻の動物とその生息地』がもとになっていますので、魔法動物やそれらが暮らす生息地、生息地があるニュートの部屋の設定について、さまざまな情報をかきあつめなければなりませんでした。映画のデザインをするにあたっては、たくさんのインスピレーションが必要でした。例えば、魔法省のデザインを考えるとき、実際の世界で大きな組織の建物がどういうものであるかを考え、それを魔法の世界にあてはめてみました。また、今回は全体的にアール・ヌーヴォー様式がたくさん使われましたので、私たちもそれに合わせて考えました。


- ファンの皆さまにメッセージをお願いします

MINALIMA ファンの皆様にお礼を申し上げたいです。ありがとうございます。 素晴らしいファンがいてこそ、素晴らしい映画になります。イギリスの物語が、地球の反対側でも支持いただけていることも、とても嬉しいです。言語が違っても、力強い物語、ビジュアルがあることによって、ここまで大きくなれるのだと実感しています。

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(真剣に質問に答えてくれるお二人)

 私たちの仕事はすべてファンの皆様のためにあります。皆様にもビジュアルを楽しんでいただけたらと思います。日本に来たのは初めてでしたが、とてもあたたかく迎えていただきました。これが最後になるとは思っていませんので、これからもよろしくお願いいたします。

 『ハリー・ポッター』シリーズや『ファンタスティック・ビースト』シリーズの素晴らしいポイントは、人々をつなげる力だと思います。私たちは仕事で来日したのですが、たくさんの方とコミュニケーションをとることができました。皆さんにお会いできてとてもうれしかったです。ありがとうございました。



◇ ◇ ◇


映画『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』の関連書籍が全世界で発売に


 ハーパーコリンズ・ジャパンはこのたび、ワーナー・ブラザース コンシューマープロダクツとの協力のもと、ワーナー・ブラザース映画『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』の関連書籍を発売した。これらの書籍は、オリジナルが米国と英国で制作され、日本をはじめとする多くの国が、その翻訳版を同時刊行するという特別企画。


『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生 魔法のアーカイブ』

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ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生 魔法のアーカイブ

 映画『ハリー・ポッター』シリーズと『ファンタスティック・ビースト』シリーズのグラフィックデザインを手がけたクリエイティブチーム、MINALIMAがブックデザインを担当。映画に登場する小道具などが、取り外し可能なレプリカとして付録になっています。

書名:ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生 魔法のアーカイブ
著者名:シグニー バーグストローム (著)
出版社: ハーパーコリンズ・ ジャパン
発行日:2018年11月22日
ISBN:978-4-596-77708-9


『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生 レンズと光の魔法――メイキング・ブック』

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ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生 レンズと光の魔法――メイキング・ブック

 豪華なイラストや写真に加えて、キャストやスタッフへのインタビュー、映画のストーリーが紹介され、このシリーズ最新作がどのように製作されたかの全貌がわかる、映画メイキング本。

書名:ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生 レンズと光の魔法――メイキング・ブック
著者名:イアン ネイサン (著)
出版社: ハーパーコリンズ・ ジャパン
発行日:2018年11月22日
ISBN:978-4-596-77706-5


『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生 アートワークのすべて』

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ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生 アートワークのすべて

 映画デザインの過程で制作された数百に及ぶ絵画やコンセプトスケッチ、複雑な模型、ストーリーボード、絵コンテ、マットペインティングを掲載。デザイナーたちの深い見識が、コメントとともに明らかにされます。

書名: ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生 アートワークのすべて
著者名:ダーモット パワー (著)
出版社: ハーパーコリンズ・ ジャパン
発行日:2018年11月22日
ISBN:978-4-596-77707-2

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