『日本一売り上げるキャバ嬢の指名され続ける力』(株式会社KADOKAWA)とあるが、「日本一売り上げるキャバ嬢」とは、どれくらいの売り上げなのだろうか? 本書を読むと「東海地区で指名数、来客数ともにナンバーワンを7年間続けています」ということだ。昨年(2017年)の「バースデー・イベント」では、2日間で1億円を売り上げたというから、まあ「日本一」というのもあながち誇大宣伝ではないだろう。
著者は小川えりさん、30歳。「名古屋だからウケた」と、ご本人も書いているのだが、全国の歓楽街の中でも、えりさんが働いている名古屋・錦の特殊な立地のせいもあるのではないか、と名古屋で十数年勤務したことのある評者は愚考する。広小路という名古屋都心のメインストリートをはさんで、栄というビジネス街と錦は向かい合っている。東京で例えるならば、大手町と新宿・歌舞伎町が隣り合っているというようなもの。
さらに言えば、名古屋は飲食店、風俗店の敷居がとても低いのだ。普通のビルで会社のオフィスと風俗店が隣り合っていたり、別のフロアであったりしてもあまり違和感がない。言ってみれば、ビジネスマンが勤務終了後、移動時間数分でキャバクラに行くのも容易な環境の街なのだ。
えりさんはキャバクラで仕事をして12年。まったく売れないキャバ嬢だったが、「エンリケ」というニックネームとともに自分をさらけ出すというポリシーを掲げ、爆発的に指名客を獲得していったという。いまやインスタグラムのフォロワー数は20万人を超え、名古屋だけでなく全国からごひいきさんが来店する。
この手の本にしては珍しく、ビジュアルにも凝っている。シャンパンタワーが林立し、胡蝶蘭が38基も並ぶ写真。変顔がアップされたインスタグラム。優雅な海外旅行の写真やくつろいだ自宅リビングも公開している。
お水で働く女性なら、「私もこうなりたい」とえりさんに憧れてもおかしくない。どうやったら売れるのか、詳しくは本書を読んでもらいたいが、少しだけ秘訣を公開しよう。
本書によるとキャバ嬢の基本的マナーはこうだ。 1 座るときは背をつけない もちろん足を組むのは厳禁だ。 2 膝の上にはハンカチを2枚置く グラスの水滴をぬぐうためと灰皿交換用だ。 3 グラスは下の方を持つ。お酒の量をいつもチェックする。 4 お客様には基本、敬語です 年下のお客様でも敬語を使う。
えりさんは岐阜県出身。キャバクラで働きながら通信制高校に入り、4年で高校を卒業した。当時めざしていた看護師にはなれなかったが、「最後までやり遂げることの大切さ」を学び、その後の人生に役立ったという。
最近、本欄では『底辺キャバ嬢、アジアでナンバー1になる』を紹介したばかりだが、実質的に日本でナンバーワンを7年も続けている、えりさんの努力と心掛けは、まったく業種の違う、すべての女性、男性にとっても「成功」するためのヒントに満ちている。
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