本書『6つの不安がなくなればあなたの起業は絶対成功する』(実務教育出版)によると、起業するにあたって多くの人が抱く不安とは、以下の6つだという。
1 ビジネスのアイデアが見つからない 2 ビジネスのコンセプトが決まらない 3 起業するための資金が足りない、集まらない 4 起業したあと、本当にずっとやっていけるのだろうか? 5 自分のビジネスで、じゅうぶんな収入が得られるのだろうか? 6 自分の知識や技術は、足りているのだろうか?
これに対して著者のビジネス教育家坂本憲彦さんは、1万人の起業家を支援してきた経験から、この6つの不安を解消し起業へと導くロードマップを提供する。
まず、市場ではなく自分を軸にやりたいことを考えろと説く。その方がハードルは低いからだ。やりたいことを見つけるには、小さい頃やっていたことを思いだす、「日常的にやっていること」を書きだす、「圧倒的に楽にできること」を書きだす、などの方法を勧める。
次に起業に必要な考え方は、コアコンセプト=誰に×何を×USP(独自性)の3つだという。その上で「お客様の声に真剣に耳を傾け、コアコンセプトを300回改善すれば、どんなビジネスも成功する」とアピールする。なかなかこれは大変そうだ。USP(独自性)が大事だが、一つひとつはユニークではないが、組み合わせることによって「そんな提供をしている人はいない」という独自性を出すことはできるという。
坂本さんは1975年生まれ。大学卒業後、西日本シティ銀行に入り、6年後に退職。夢だった起業のために上京、ビジネススクール、速読教室、飲食店など3つの会社を立ち上げた。起業家の育成を行う一般財団法人立志財団理事長も務める。「弱いまま成功する」という基本的な考え方には、類書にはない独特の観点があり、共感を覚えた。
本書には坂本さんのスクールで指導を受けた卒業生の成功例が多数紹介されており、参考になる。起業するとは言わない、家計簿をつけ計数管理に慣れる、会社を辞めずに起業してみる、起業後もアルバイトでしのぐ、なんでもいいから売ってみる、など実践的なアドバイスも豊富だ。
堀江貴文、落合陽一著『日本再興戦略』『10年後の仕事図鑑』(SBクリエイティブ)でも「趣味から仕事を創れ」と説いていた。「圧倒的に楽に出来ること」を生業にするのは、これからのAI社会を生き抜くカギかもしれない。
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