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ウチ、この本、なんかイラっとする!?

イライラしなくなるちょっとした習慣

 ちょっとしたことで、感情を乱す人が増えたような気がする。とくにネットにはそういう人があふれている。それは近年、普通に使われるようになった日本語からもわかる。

 たとえば、昔は「イライラする」という表現しかなかったが、最近は「イラっとする」。あるいは本格的に「キレる」前に、「プチキレ」。つまり、イライラしたり、キレたりするまでの点火時間が短い。沸点も低くなって、我慢して耐える力が弱まっている。

ストレスが瞬時になくなる

 本書『イライラしなくなるちょっとした習慣』(大和書房)は、気を鎮めるにはどうすればいいかを教えてくれる。単純に言えば、イライラを引き起こしがちな習慣をやめ、イライラを引き起こさない習慣を身につけるのがよい。「お金」「人間関係」「仕事」など7つの項目に分けて、「ストレスが瞬時になくなる82のメソッド」を紹介している。

 何かテキトーに、思い付きで「メソッド」を提示しているわけではない。著者の安藤俊介さんは、「日本アンガーマネジメント協会代表理事」。アンガー、すなわち怒りを管理する協会のエキスパートだ。『怒りに負ける人、怒りを生かす人』(朝日新聞出版)、『「怒り」のマネジメント術』(朝日新書)、『この怒り なんとかしてと思ったら読む本』(リベラル社)、『イラッとしない思考術』(KKベストセラーズ)などの著書がある。

 文章は淡々としている。「文は人なり」といわれるが、著者が精神的に安定し、イライラしない人だということがわかる。

コンビニに行かない

 アンガーマネジメントという研究分野は、米国では以前からあったようだ。トランプ大統領を見てもわかるように、カッカしやすい人が多い国なのだろう。安藤さんは2003年に渡米して学んだ。米国人以外では唯一、最高ランクのトレーニングプロフェッショナルに選ばれている。帰国後は企業や教育委員会、医療機関などで数多くの講演、研修などを行い、年間の受講者数は2万人を超えるそうだ。

 どうすればイライラしなくなるのか。メソッドで示されたいくつかの具体的な方法を紹介すると――。

・コンビニに行かない
・相手が自分の期待にこたえなくても平気
・「ぽっちご飯」を楽しむ
・ワイドショーを見ない
・SNSから離れたほうが快適

 なかなか実行が難しそうなことが並んでいる。要するに他人に惑わされず、自分の価値観をしっかり持つ、ということだろう。そんなことが簡単にできるならイライラしない、この本、なんかイラっとする、なんてプチギレしてませんか?

  • 書名 イライラしなくなるちょっとした習慣
  • サブタイトル60万人の怒りをしずめてきたアンガーマネジメントのテクニック
  • 監修・編集・著者名安藤俊介
  • 出版社名大和書房
  • 出版年月日2018年1月19日
  • 定価本体1300円+税
  • 判型・ページ数B6判・208ページ
  • ISBN9784479796268

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