読むべき本、見逃していない?

桐島、湯切りやめるってよ

もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら 青のりMAX

 

 二匹目のどじょう、という言葉があるが、案外出版界ではよくある現象だ。昨年(2017年)6月に出た『もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら』は、その文体模写の芸が話題となり、10万部を超えるヒットとなった。村上春樹の項では「完璧な湯切りは存在しない。完璧な絶望が存在しないようにね。」また、相田みつおの項では「湯を入れる/湯切りをする これだけなのに/むずかしい/すぐに食べたい/人間のわたし」など作家、芸術家の個性に肉薄した表現が高く評価されたようだ。という訳で第2弾『もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら 青のりMAX』が昨年末、刊行された。

 

 版元の宝島社によると、前作は購入者の35%が40~50代の女性だという。何が彼女らの琴線にふれたのだろう? カップ焼きそばの大口消費者というわけでもないだろう。意外と(失礼)彼女らは読書家なのかもしれない。

 

 第2弾では120人が登場する。アトランダムに名前を挙げると、森鷗外、カズオ・イシグロ、筒井康隆、吉本ばなな、ブルゾンちえみ......。

カズオ・イシグロは「かやくを離さないで」

 

 文句なく面白いと思ったのは、直木賞を受賞した若手作家、朝井リョウの項だ。「桐島、湯切りやめるってよ」。この見出しが最高だ。本文はもう読まなくていい。カズオ・イシグロは「かやくを離さないで」。分かる人には分かる世界だ。

 

 今回の刊行にあたり、カップ焼きそばを販売している食品メーカー5社(サンヨー食品、東洋水産、フジフードサービス、明星食品、ヤマダイ)から応援コメントが寄せられた。たとえば東洋水産は「カップ焼きそばの作り方を知的に昇華(笑)いただき、ありがとうございます」。

 

 著者の一人、神田桂一は週刊誌「FLASH」の記者などを経たフリーライター、編集者。もう一人の菊地良はWebサイト「世界一即戦力な男」をヒットさせたWeb編集者・ライター。前作もTwitterでの話題コンテンツから生まれた本だった。ネットにはまだまだ本になる宝が埋もれている。(BOOKウォッチ編集部)

  • 書名 もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら 青のりMAX
  • 監修・編集・著者名神田桂一、菊池良 著
  • 出版社名宝島社
  • 出版年月日2017年12月21日
  • 定価本体980円+税
  • 判型・ページ数四六判・219ページ
  • ISBN9784800278043

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