女子大生・金坂澪のもとに、ある日差出人不明の封筒が届く。メモリーカードと電話番号の書かれた紙切れが入っていた。映像には覆面男が「今から君を脅迫する。振り込め詐欺でだまし取った金を返さないと恋人を殺す」と見知らぬ男に銃をつきつけていた。まったく身に覚えがない澪が電話すると、「脅迫屋」の千川完二は人違いだったことをわびる。澪は引っ越したばかりだったのだ。本来の脅迫相手、葛城菜緒子の代わりに金を払うと、変人級のお人よしの澪は申し出るが、電話が切れる。翌日、近所で起こった殺人事件の被害者が葛城菜緒子だったことを知り、驚く澪の前に千川が現れる。
「脅迫屋」の千川は灰色のヒーロー。「無駄にお金がある」という澪にも知られざる事情があった。澪が事件に巻き込まれ、千川がかかわるという展開でストーリーが進む。
10月15日スタートの日本テレビ系の同名連続ドラマの原作である。澪には武井咲、千川にはディーン・フジオカが扮する。1章がちょうどドラマ1話分くらいの分量で、それぞれ現代的なテーマを扱い、謎解きの仕掛けもしっかりしている。ドラマ化されるくらいだから、セリフまわしも巧妙で、コミカルな味わいもある。
著者の藤石波矢は1988年生まれ。『初恋は坂道の先で』で第1回ダ・ヴィンチ「本の物語」大賞を受賞した。本書は「講談社タイガ」という本のレーベルから出版された。「講談社ノベルズ」の姉妹版だが、ミステリーよりは少し幅が広く、新作でシリーズ化という縛りがある。この「今からあなたを脅迫します」も8月に続編が出て、10月20日に3冊目が出る。連続ドラマになり、さらにシリーズ化が加速しそうだ。
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