毎朝、何となく見てしまうNHKの連続テレビ小説「朝ドラ」。本書は朝ドラに詳しいライター、木俣冬さんによる「朝ドラ愛」が詰まった解説書だ。
朝ドラの歴史は1961年の「娘と私」にさかのぼる。「うず潮」、「たまゆら」、「おはなはん」、「あしたこそ」などのヒットが続いた60年代は、最高視聴率が50%を超えることが珍しくなかった。林美智子、樫山文枝、日色ともゑ、藤田弓子ら多数の女優の出世作となった。中でも83年の「おしん」は60%台を記録する歴史的名作となり、東南アジアなど外国でも大うけした。
しかし、2000年代に入って奮わなくなり、「ちりとてちん」、「瞳」、「だんだん」、「つばさ」と07年から09年にかけて20%を切る低迷が続く。その苦境を救ったのが10年の「ゲゲゲの女房」だった。
なぜ10年代になって、朝ドラは復活したのか? 特に著者が強調するのはSNSの影響だ。感想を誰かに伝えて皆で語り合うものになったと指摘する。
主婦向けに始まった朝ドラ。しかし時代とともに主役も変わる。「クロワッサン」の著者インタビューで、こう語っている。
「『私の青空』でシングルマザーを、『カーネーション』で不倫を、『とと姉ちゃん』でおひとりさまを。ヒロインのあり方をたぐれば、女の生き方も見えてくる」
毎朝、何となく朝ドラを見ている人がこの本を読めば、たちまち朝ドラ通になり、朝ドラの楽しみ方も倍加することだろう。
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