新聞や雑誌が定年後の暮らしや年金について取り上げる時、ほとんどがサラリーマン、勤め人を対象にしている。制度がはっきりしているので書きやすいのだ。ところが、自営業の場合、一筋縄でいかない。実にいろいろな職種があり、収入を含め、さまざまなありようがある。定年もないので、勤め人とは違う生き方がある。
しかし、本書がベストセラーになっているというのは、老後について不安を抱えている自営業者が多いということなのだろう。著者は53歳のイラストレーター。気がつけば収入はピークの頃の3分の1に減り、将来に不安を感じ始めていた。そこで、65歳のフリーライター、80歳のもつ焼き店主など自営業の先達や年金のプロなどを訪ね、教えを乞う。
国民年金にも加入していなかった著者は、救済措置も知る。「ほんと、この人大丈夫か」と読者が心配になるほど、家計や諸制度に無頓着だったが、だんだんと知識を蓄え、将来の備えを始める。
「実用コミックエッセイ」と銘打っており、著者のうろうろぶりを笑ううちに、老後への自信がわく仕掛けになっている。今後、新しいジャンルとして「実用コミックエッセイ」が流行るかもしれないと思った。
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