貧困の問題を取り上げた本が続々と出版されている。国民全体の貧困、高齢者の貧困、若者の貧困......。そして本書は女性の貧困について正面から向き合った本だ。著者の雨宮処凛さんはライターにして社会活動家。貧困問題にも取り組んでいる。20代から60代までの8人の女性に取材した本だ。どうして貧困になったのか、それぞれが具体的に語っている。
この本を取り上げた斎藤美奈子さんは「貧乏って絶対伝染するなっていつも思ってて」という30代女性の言葉を引用している。世代を越えた貧困の連鎖だ。だが事態は想像以上なのかもしれない。雨宮さんはまえがきで「単身女性の3人に1人は貧困」と書いている。ちょっと前まで、飲食業や風俗業が貧困女性の受け皿になっていたが、今やそうした仕事に従事することも出来ない女性が増えている。彼女たちはどうやって生きているのだろう?
この本は、女性が利用できるさまざまな制度についても解説している。生き延びる処方箋も示しているのだ。
雨宮さんは20代の頃、出版社の社長にひどいセクハラをされた自分のエピソードから書いている。「セクハラあしらい料として、普通のバイトより高い時給を貰って当然ではないか」。男性がこのテーマについて書いた類書にはない「怒り」が、底を流れている。
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