1978年のデビュー以来たくましい活動を続け「国民的バンド」とも呼ばれるサザンオールスターズ。本書では、そのデビューの年から、活動休止前に発表した85年のアルバム「KAMAKURA」までの8年間の足取りを追っている。昭和歌謡から最新ヒット曲までを「プロ・リスナー」的に評論するスージー鈴木さんが、圧倒的な量の情報を用いて分かりやすく解説する。
「編集者のおすすめ」のコーナーで本書を紹介するのは、新潮社新潮新書編集部の金寿煥さん。最初の8年に焦点を当てたことについて「この時期にこそ彼らの音楽的なエッセンスが詰まっているのではないか、それを当時の音楽シーンや時代状況などを振り返りながら分析しています」と述べている。
著者はまず、デビュー曲「勝手にシンドバッド」が革命的だったと振り返る。桑田佳祐さんによる独特のボーカルスタイル、「桑田語」ともいえる「新しい日本語」の歌詞、16ビートの不思議な旋律――。これらが、それまで根強くあった「日本語はロックに乗らない」という固定観念を迷信に変えたという。
この「勝手にシンドバッド」で堰を切ったようにヒット曲が続く。「いとしのエリー」「C調言葉に御用心」「ミス・ブランニューデイ」「メロディ」――。グループでカラオケに出かければ、今でもだれかが歌っているに違いない"名曲"が多いのは、この8年間だ。
しかし、この8年間をつぶさにみると、後年に定着したイメージのように順風満帆でなかったことが分かる。2度目の出場だった1982年の紅白歌合戦で起きた「三波春夫事件」などについても詳しく述べられている。
2018年にデビュー40年目を迎えるサザン。節目の年を前に、とくに若いファンには、グループの初期の時代がよく分かるバイオグラフィー。
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