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おかしみのある作家の妻のエッセイ

書評掲載元:月刊文藝春秋 7月号 書評

あの頃

 作家の妻にはいろいろなタイプがあるが、武田泰淳(1912~76)の妻、百合子(1925~ 1993)は夫の没後に書く才能を開花させた稀有な人だった。没後約25年、なお読む人に新鮮な驚きと喜びをもたらす。本書は生前、各紙誌に発表しながら、作品集に収録されなかったエッセイを1冊にまとめ、作品リストを付した決定版。

 評者の梯久美子氏(作家)は、「一般的にはメジャーな書き手とはいえない武田百合子の作品を、新刊が出たこの機会に、未読の人にもぜひ手に取ってほしい」と訴える。

 百合子は生前出版した作品集以外は、決して書籍にしないこと、と言い残していたそうだが、一人娘の写真家、エッセイイストの花さんの編著となれば、苦笑いしているかもしれない。

  • 書名 あの頃
  • サブタイトル単行本未収録エッセイ集
  • 監修・編集・著者名武田百合子 著 武田花 編
  • 出版社名中央公論新社
  • 出版年月日2017年3月22日
  • 定価本体2800円+税
  • 判型・ページ数四六判・533ページ
  • ISBN9784120049682
 

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