1990年代、市場経済へ移行期のロシアで著者ビル・ブラウダーは
投資ビジネスを大成功させた。
資産価値から考えると株価が格安の企業に目をつけては、
欧米投資家から集めた資金をタイミングよく投入して
大きな利益を生み出していったのだ。
次第にロシア経済界の事情に精通し始めたブラウダーは、
ロシアの企業で横行する不正・横領に気付き、
調査・告発を続けるのだが、いつの間にかプーチンに目を
つけられて、2005年、強制的に国外退去させられてしまう。
その後、ロンドンを拠点にして、身の潔白を証明しようと画策した
ブラウダーだったが、ロシア当局により脱税の証拠を捏造され、
顧問弁護士たちが不当に逮捕されそうになる。
危機が次々と襲うなか、ついに弁護士のひとりが
逮捕されてしまい、劣悪な環境の中で拘束され続けた末に
拷問されてなくなってしまう。
プーチンとロシア当局を敵にまわしたブラウダーが、
いかにして危機を乗り越え、人権侵害の事実をアメリカ議会に
訴えて、殺された仲間の復讐を果たすのか。
サスペンスのような展開で、全てが事実という
迫力のノンフィクション。
今年2月、アメリカで発売されるとたちまち、
ニューヨークタイムズのベストセラーリストにランクインした話題作です。
http://gakugei.shueisha.co.jp/書名:国際指名手配 私はプーチンに追われている
著者:ビル・ブラウダー
訳者:山田美明/笹森みわこ/石垣賀子
発売日:2015年6月26日
定価:本体2,200円+税