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先住民居留地から黒人街、移民街まで…。「辺境」を歩き続ける鎌田遵氏が綴った、渾身のノンフィクション『「辺境」の誇り アメリカ先住民と日本人』(集英社新書)

 国のあり方も歴史の発展過程も、現在の状況もまったく異なるものの、
「辺境」から発せられる声を記録する作業を通じて、
普遍的な問題としての共通性を見極められるのでは、
と思うようになっていた。(中略)
本書はこれまでアメリカ社会の「辺境」に息づく人びとの現実を
見てきた経験を、震災後の日本社会とその「辺境」に生きる人びとに
重ねて考えた記録である。(「はじめに」より)

**********************************
 
開拓者精神(フロンティアスピリッツ)を大義とする白人によって
土地を追われたアメリカ先住民と、原発事故により故郷と切り離された福島の人びと。
原子力産業との「共生」を強いられた、青森県下北半島とアメリカの先住民居留地。
そして、欧米の反捕鯨団体による執拗な妨害に耐えて
イルカ漁を続ける和歌山県太地町。
かつて、そこはアメリカへの移民を多数輩出した町だった…。
本書は、先住民や非合法移民と長く寝食を共にし「辺境」を渡り歩いた著者が、
巨大な「権力」や暴力的な「正義」に抵抗する人びとをアメリカと日本に追った、
渾身のノンフィクションだ。

【目次より】
はじめに
第一章    追われる民 / 第二章    「辺境」の声 / 第三章    境界線の防人
第四章    海を守る民 / 第五章    受け継がれる思い /あとがきにかえて

【著者プロフィール】
鎌田遵(かまた・じゅん)
1972年東京都生まれ。亜細亜大学専任講師。
専門はアメリカ先住民研究。高校卒業後に渡米。
アメリカ先住民や非合法移民と寝食を共にし、「辺境」を歩いてきた。
カリフォルニア大学バークレー校ネイティブ・アメリカン学科卒業。
同大学ロサンゼルス校大学院アメリカン・インディアン学研究科修士課程終了。
同大学院公共政策・社会調査研究所都市計画学研究科博士課程修了(Ph.D. 都市計画学)。
カリフォルニア大学バークレー校社会変革研究所客員研究員(2009年4月~2011年3月)。
著書に『ネイティブ・アメリカン』(岩波新書)『ドキュメント・アメリカ先住民』(大月書店)等。

http://shinsho.shueisha.co.jp/

書名:『「辺境」の誇り アメリカ先住民と日本人』
著者:鎌田 遵
発売日:2015年2月17日
定価:本体760円+税

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