写真家ベンジャミン・リーが、各界のクリエイターたちがまさにクリエーションに挑む、その一瞬を写真で切り取りました。建築家の安藤忠雄、小説家の石田衣良、俳優の浅野忠信、演出家の蜷川幸雄、バレーダンサーの熊川哲也、作家であり住職でもある玄侑宗久、アート・ディレクター浅葉克己ら、錚々たるメンバー94人が登場します。
たとえば、ミュージシャンの佐野元春は、白い壁の前に立ち、ギブソンのギターをアンプにつなぎました。ソングライティングは、佐野にとっては、授かりもの。インスピレーションは突如やってきます。しかしインスピレーションはホットな半面、冷静さを書いていることが多いといいます。数ヵ月の時を置いて精査し、普遍性を見出します。そんな彼の言葉を代弁するように、ベンジャミン・リーの写真が佐野について語り出します。
本書の写真表現は、ベンジャミン・リーが独自に工夫しました。モノクロの中判パノラマ写真3葉を巧みに組み合わせて一つの作品に仕上げています。フィルムのパーフォレーション(黒縁)に刻印された「KODAK 400TX」や「FUJI 100ACROS」などの文字は手焼き感を醸し出し、独特な世界観をつくりだしています。
【Benjamin Leeベンジャミン・リー】
1977年ロンドンのソーホー地区にベンジャミン・リー・スタジオを設立。その後活動の拠点を日本に移す。広告写真や著名人のポートレイト作品は、世界的に高い評価を得る。英国デザインアート・ディレクション賞を2度受賞。NHK国際放送「Asia This Week」9/12で『創造の現場。』紹介。
※本書は、Pen2010年1月から2014年4月までの好評連載『創造の現場。』を書籍化したものです。
書名:PenBOOKS 創造の現場。
写真:ベンジャミン・リー
編者:ペン編集部
発売日:2014/9/19
定価:本体2400円(税別)