多くの発掘成果があり、縄文文化の実態の解明がにわかに進みました。
そこでは、私たちの祖先「縄文人」が、日本列島の各地で、その地域の自然、風土などに適した文化を築き、豊かで安定した平和な生活を持続していたこと、そして一万年間という悠久の時間を積み重ね、日本文化の確かな基礎を築いていたことが、次第に明らかになってきました。(本文より)
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縄文と弥生は断絶していなかった! 我々の古代観を一変させた縄文研究の第一人者が、居住環境、流通システム、葬送の儀礼他、現代日本と縄文の連続性を全く独自の切り口から考察。著者は、通説に真っ向から抗い、弥生ではなく縄文に日本人のルーツを求める。今日の日本人にも通じる「自然物に根ざした食生活」や「共同体の祈りや祭り」、そして、一万年も平和が続いた奇跡の時代に我々が学ぶべきこととは? 大胆な論考から、縄文時代に現代人が学ぶべきことを探る。
【目次より】
はじめに――私がめざす縄文的な生活
第一章 数百年、千年以上も続いた縄文ムラ
第二章 海・山の幸と自然物の利用
第三章 定住を支えた手作り生産と物の流通
第四章 縄文人の心と祈り
第五章 墓・埋葬とゴミ捨て場・「もの送り場」
第六章 縄文的生活文化の終わり
おわりに 縄文文化は日本の基層文化
【著者プロフィール】
岡村 道雄(おかむら みちお)
1948年、新潟県生まれ。考古学者。三内丸山遺跡の発掘調査などに関わり、縄文研究者として知られる。東北大学大学院史学専攻修了。宮城県東北歴史資料館、文化庁、奈良文化財研究所などで勤務。現在は「杉並の縄文人」として、縄文的な生活の実践に努めている。主な著書に『縄文の生活誌』(講談社学術文庫)『旧石器遺跡「捏造事件」』(山川出版社)など。
http://shinsho.shueisha.co.jp/書名:縄文人からの伝言
著者:岡村 道雄
発売日:2014年7月17日
定価:本体720円+税