「ろおじ」とは、耳慣れない言葉ですが、京言葉で「路地」を指します。「お」にアクセントを置いて愛おしむように発音します。暮らしの中から生まれた路地には、暮らすような旅でなければ出合えない宝物があります。本書では、京都国立博物館の文化大使にして、NHK日曜美術館でもおなじみの俳優・井浦新さんを案内役に、ふつうのガイドブックでは、うかがい知れないようなディープな京都体験ができるスポットを紹介しています。
たとえば、誂えもの。京都ならではの和のものを誂えるのは楽しみです。きもの、傘、桐箱、足袋、がま口などなど。綾小路で、ぱちんと開け閉めできるがま口を、いろんな小物につけてもらうのはいかがでしょう。
路地に分け入れば、和モダンの文具店や伝統工芸品のセレクトショップ、海外の本や写真を取り扱っている専門店など、個性的なお店に出合えます。祇園の路地には、屋根裏で飲めるBARもあります。
鴨川を眺めながら京町家に泊まるのもよさそうです。翌日の昼下がりには高台寺でお茶と和菓子でまったりしたり、花街で愛されている満月弁当に舌鼓を打ったり、京のうまいもんをお土産にしたり……
京の新しい楽しみ方をぜひ発見してください。
そうだ、京都行こう。もちろん「京のろおじ」をかばんにしのばせて。
書名:暮らす旅 京都 京のろおじ
編者:暮らす旅舎
発売日:2013/12/12
定価:1,680円(税込)