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反日デモから1年。そのとき何があったのか?

 9月11日、ちょうど1年前に日本政府は尖閣を国有化しました。それを境に中国の反日気運は一気に高まり、激しい反日デモが各地で起きることとなりました。連日の報道を皆さんも見たと思います。あの報道の裏で、実はいろいろなドラマが繰り広げられていました。現地で生活していた日本人は何を感じ、何を考えたのか、そして周囲の人の反応は?

まずデモの実態です。一部抜粋しましょう。
・デモ隊がみなぺちゃぺちゃとおしゃべりしながら笑顔で行進をしていた。
・期せずしてデモ行進の流れに乗ってしまった通勤途中らしい人々は、みな引き返しのお許しを乞うていた。

そうなんです。デモ行進していた人たちはすべて反日ではなく、一種のイベント感覚で後をついていった人もいれば、巻き込まれて、引き返せなくなった人もいたのです。愛国教育で踊らされた若者が一部暴徒化しましたが、デモの後方では、われ関せずの人が大勢歩いていました。

そして、中国に生活基盤がある日本人たちは、中国の友人たちから、さまざまな温かい手を差し伸べられました。「国家・政治の時の状況が、われわれ小老百姓(庶民)の友情に影響を与えることはないでしょう」というメールをもらった著者もいます。個人と個人の関係が密であれば、中国人も日本人も関係ないのです。国は国、個人は個人と割り切っている人が多いことも伺われます。

なかには、「中国が好きだからここにいて、文化交流の仕事をしている。悪い話をしてもなにも進まない。いい話をして進めてゆきたい」と宣言する未来志向の著者もいます。

日本企業の駐在員から、ブロガー、建築家、日本語教師、俳優、寿司職人、主婦、高校生まで総勢108人のそれぞれの思いが詰まった、中国の現実がここにあります。

 
 
 
 
 

書名:在中日本人108人の それでも私たちが中国に住む理由
編者:在中日本人108人プロジェクト
発売日:2013/8/30
定価:1,890円(税込)

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