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閉ざされた扉を開き、問題の核心に切り込む「パワー・クエスチョン」

 凡庸な私でも、たったひとこと質問を発しただけで、場が盛り上がり、会話がピョンピョン跳ね出すことがある。それをビジネス上で意図的につくりだしてしまおうというのがこの本のすごいところだ。アメリカやカナダで反響を呼んだ本書のノウハウは、もちろん万国共通。目からうろこの新しい視点で世のビジネスマンをうならせている。

では、具体的にご紹介しよう。
上司に今の自分の苦境を説明し、適切な判断を仰ぎたいとき、えてして状況説明は微に入り細をうがってしまうものだが、それでは時間の無駄というもの。上司の「問題は何だ?」という短刀直入な問いで、ことは片づいてしまうことが多い。つまり、この問いを発することで、相手が考えをまとめることができるということだ。問題が何かが明確になり、どんなアドバイスがほしいのか具体的に考えるための第一歩を踏み出せるようになる。

周囲の人のやり方が気に入らず、変えるしかないと息巻く人に対して、有効な質問、それは「彼らにもっと何をしてもらいたいですか」。いったん不満を抱えると、人は往々にしてその主張を曲げられなくなる。そんなときに、具体的にその不満の内容を挙げてもらうと、今後の改善策につながる建設的な対話が可能になるのだ。

相手の胸襟を開く有効な質問もある。「どんなふうに始めたのですか」。この質問のすばらしいところは、聞き手も語り手も喜びや情熱やインスピレーションを感じることができる点だ。友人や同僚、出会ったばかりの人も、実はそれぞれが大切にしている物語をもっている。それらを語ることで、親密度は増し、お互いの絆は深まるのだ。

本書では、こうしたブレイクスルーするための質問(パワー・クエスチョン)を豊富な事例を交え、しかもそこからの応用まで提示して、惜しげもなくノウハウを披瀝している。ビジネス上も、家庭でも、友人関係でもこのノウハウは適用できる。さあ、今すぐパワー・クエスチョンのノウハウを学ぼう。
 
 
 
 

書名:パワー・クエスチョン 空気を一変させ、相手を動かす質問の技術
著者:アンドリュー・ソーベル/ジェロルド・パナス
訳者:矢沢聖子
発売日:2013/3/23
定価:1,785円(税込)

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