自民党が圧勝して以降の株高と円安によって、投資業界もにわかに活気づいてきたようです。そろそろ投資でも…なんて考えてわくわくしている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、この状態がいつまで続くのか続かないのか、上がるのか下がるのかはたまた横ばいか。「予想」することはできても、「予言」できる人はいません。まさに神のみぞ知るというところです。
「投資では過去に痛い目を見た…」
「どうせギャンブルでしょ」
「少しよくなったからといって甘い考えで始めて大ヤケドしたくない!」
なんて方もいらっしゃることでしょう。そんな方にもお勧めなのが「FXのスワップ運用」です。
「スワップ」とは、カンタンにご説明すると、異なる2種類の通貨を売買することによって生じる金利差のこと。日本では超低金利政策を取っているため、例え銀行にお金を預けてもほとんど金利はつきませんが、海外には5~10%の金利がつくいわゆる「高金利通貨」があります。それを利用して、低金利通貨で高金利通貨を買えば、金利差の調整分をスワップ金利として受け取ることができるのです。
FXのスワップ運用は「保有しているだけでお金がもらえる」、しかもレバレッジをかけるほど、高金利通貨を買うだけで毎日スワップの利益が入ってくるということで、一時期大流行しました。
ただし、高金利通貨が値を下げてしまえば、(そしてスワップ益を狙ってレバレッジをかけてしまうほど)、スワップの利益では「焼け石に水」でしかないような、大きな損失が出てしまいます。 例えば、リーマンショックで高金利通貨が大きく変動したときに、「スワップ派」は壊滅的な打撃を受けました。以来「結局スワップ運用なんか儲からない」という声もたくさんきかれます。
しかし、本書『FXで究極の海外投資』の著者は、「それは間違ったスワップ理論が広まっていたからで、正しい理論で運用すれば、リスクはコントロールできていたはずだ」といい、その裏づけを金融工学のアプローチから解明していきます。
金融工学というと、難しそうで、数学が得意じゃないととても無理なのでは? と思われるかもしれませんが、本書では安定したFXポートフォリオ(組み合わせ)を算出できる「リスク分析ツール」も配布、使い方も読みながら理解できるよう書かれています。
個人投資家からの投票にもとづき、その年の良書を決定する「ブルベア大賞」では、多くの投票により準大賞を受賞しました。
一般的に「FX」といえば、為替レート上げ下げで利益を取るものというイメージが強いと思います。しかし本書は「どれだけ多くのリターンを得るか」ではなく、為替変動の影響が少ない安定したポートフォリオを作ることによって、継続的に、堅実に、スワップの収入を得るための本です。上げ下げに一喜一憂したくない方はぜひ一読を。
■商品詳細
http://www.tradersshop.com/bin/showprod?a=66308&c=9784775991114■著者/結喜たろう(ゆうき・たろう)
東京都立大学大学院工学研究科卒。一級建築士。都市計画・建築設計などのデザイン系事務所、不動産事業などを経て、株式会社山幸投資事業部を設立。現在、空間建築などのデザイン業務のかたわら、不動産、株式、先物、FXを利用した投資事業を行っている。
・ホームページ:
http://portstudio.jp/・ブログ(投資の仲間たち):
http://www.panrolling.com/blog/yuuki.html■監修者/北山広京(きたやま・ひろき)
日本証券アナリスト協会検定会員。現在、大手運用会社にてクオンツ責任者として勤務。本業では新たにグローバルアロケーションモデルの作成を開始。運用系システムはデータベースから最適化まで、すべて自作することをモットーとする。
書名:FXで究極の海外投資
著者: 結喜たろう
監修者:北山広京
発売日:2012/1
定価:2,100円(+税)