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細密な歴史画でよみがえる『古事記』の世界

イザナギ・イザナミの国生み、天の岩戸から、八俣の大蛇、因幡の白兎、天孫降臨、海幸・山幸、そして神武東征、ヤマトタケルの活躍、雄略天皇まで、梅田紀代志先生の細密な歴史画と武光誠先生による簡潔なあらすじによって、『古事記』の全体像がみてとれるビジュアル本です。 『古事記』については、近年、文学としてだけではなく、歴史書としての側面の研究も進んでいます。『古事記』は、その時の王統の正当性を示すために編まれたものであり、そこには、作為が加えられていると考えられますが、全くの虚構だと断ずるのも誤りでしょう。誇張や粉飾や辻褄合わせがあったにせよ、そのもとになる歴史的背景があったはずです。本書では、個別な「謎解き」とまとまった「章末解説」などにより、『古事記』の物語とその歴史的背景をはじめ、関連する古代史のさまざまな謎を解き明かし、新たな『古事記』像を示します。日本神話と日本文化のルーツ、邪馬台国や纏向遺跡、好太王碑文や倭の五王などについて、近年の歴史学・考古学の成果と『古事記』の記述を突き合わせることにより、真実の姿が浮かび上がらせていきます。『古事記』の物語に込められた古代の日本人の心が感じとれるだけでなく、日本の国ができていく過程がイメージできるでしょう。『古事記』の世界がよみがえるとともに、『古事記』にまつわる「謎」を読み解く楽しさも味わえる画期的な本として、入門者にも古代史ファンにも魅力的な本です。

『絵画と歴史て゛解き明かす 
 決定版『古事記』の世界』
梅田紀代志・画、武光誠・文
小学館、2012年

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