幕末史は、これまで勝者である薩摩や長州、土佐の志士に注目が集まる一方、「朝敵」の汚名を着せられた地域は、長らく不遇な立場に置かれてきた。そのため新選組のようなごく一部の例外を除いては、「官軍」と戦った佐幕派の物語が陽の目を見ることは、ほとんどなかった。
しかし、来年は会津を舞台とした「八重の桜」がNHKの大河ドラマに予定されるなど、佐幕派の立場からも歴史が見直されつつある。
本書は佐幕派の生き様を伝えるエピソードを集め、ゆかりの18都道府県ごとに紹介する。「八重の桜」の舞台の会津はもちろん、全国各地のそれぞれの地域がどのような幕末を迎えたのか、歴史に埋もれてきた郷土の英雄の生き様を掘り起こすことで明らかにする。
■目次
1章 北海道〈箱館〉榎本武揚
2章 青森県〈斗南藩(会津藩)〉山川大蔵
3章 岩手県〈盛岡藩〉楢山佐渡
4章 宮城県〈仙台藩〉星恂太郎/伊達邦成
5章 山形県
〈米沢藩〉雲井龍雄
〈庄内藩〉酒井玄蕃
6章 福島県
〈会津藩〉松平容保/白虎隊/山本八重/中野竹子
〈二本松藩〉二本松少年隊
7章 新潟県
〈長岡藩〉河井継之助
8章 群馬県
〈権田〉小栗上野介
9章 埼玉県
〈血洗島〉渋沢成一郎
10章 千葉県
〈請西藩〉林忠崇
11章 東京都
〈江戸〉伊庭八郎
〈多摩〉土方歳三
12章 静岡県
〈静岡藩〉大久保一翁
13章 岐阜県
〈郡上藩〉朝比奈茂吉
14章 三重県
〈桑名藩〉松平定敬/立見鑑三郎
15章 京都府
〈京〉人見勝太郎
16章 岡山県
〈備中松山藩〉板倉勝静
17章 大分県
〈日田〉川路聖謨
18章 佐賀県
〈唐津藩〉小笠原長行
著者:星亮一 ほか
ジャンル:日本史 発売:2012-09 ISBN:978-4404042484