2011年11月、新婚ホヤホヤの若き国王夫妻が来日し、その立ち振る舞い、日本国民に向けた温かいメッセージ、国会での演説などをきっかけに、あらためて注目されることになったブータン王国。
でも、「ブータンってどんな国?」と聞かれても、「ほら、国民の幸せを最優先に考えるっていう国でしょ」ぐらいしか出てこない方も多いのでは?
その謎多きブータンで、「首相フェロー」として働いたのが、御手洗瑞子(たまこ)さん。『ブータン、これでいいのだ』は、御手洗さんが現地で公務員として働き、暮らしたからこそわかる「幸せ」の国の素顔が満載なのです。
たとえば……初雪が降ると、政府がその日を祝日として発表し、いきなりお休みになるんだそうです。で、公務員の勤務時間はというと、通常は9時から17時。残業マストの日本人にとって、これだけでも羨ましい限りですが、11月から2月は冬季スケジュールで、なんと終わりは16時!
勤務時間がタイトなら、さぞかし時間管理はバッチリ!と思いきや、誰も手帳などは持っていないので、2週間先のスケジュールなんて存在しません。日々の会議は、メンバーが全員いるのを見計らって「今から会議やるよー」……
すべてが万事この調子らしく、なんとものんびりモードなのです。
その一方で、首都ティンプーではiPhoneが3Gネットワークで使え、Wi-Fiスポットがあちこちにあるなど意外と近代的。なのに、まだ夜這い文化が残っていたり……。
いろいろ矛盾、問題は山積みのようですが、それを気にする風もなく、なぜかやたらと自信だけは満々で、いつも笑顔のブータンの人々。ブータンの素顔を知れば知るほど、きっとあなたも「ブータンって、これでいいんだよね」と思ってしまう魅力に、この国は満ち溢れています。
「幸せという言葉ではくくれない素顔のブータンに触れられる好著!」(石川直樹さん)
「ブータン人を尊敬していてしかもズケッとも言う。これがいいのだ。」(南伸坊さん)
「意外と重要な本なのではないかと思う。」(糸井重里さん)
読めば、まさにブータンに住んでいるような気分になれる一冊です。
『ブータン、これでいいのだ』関連情報はこちら「ブータン、これでいいのだ」
定価1470円
2012/02/29発売
新潮社