2023年12月12日、音楽評論家・スージー鈴木さんの新著『中森明菜の音楽 1982-1991』(辰巳出版)が発売された。
本書は、『1979年の歌謡曲』(彩流社)などの著作で知られる著者が、80年代を代表する歌手・中森明菜のディスコグラフィーと、その音楽性を論じたもの。近年の歌謡曲ブームで再び注目を集め、「伝説の歌姫」として扱われるようになった中森の、音楽家としての真価を問う内容となっている。
著者は66年生まれだが、80年代当時は中森明菜より松田聖子派、中島みゆきより松任谷由実派で、いわゆる「明菜ファン」ではなかった。しかし、2022年のブームでの、音楽性を吟味しない乱暴な神格化、取り上げられる曲の幅の狭さとパターン化、スキャンダラスな扱われ方を見て、音楽性に特化した「自分にしか書けない中森明菜」を書こうと決意したという。
定番曲だけでなく、『SOLITUDE』や『Fin』『LIAR』といったメディアではあまりピックアップされてこなかった名曲群を、「アーバン歌謡」「歌う兼高かおる」などのキーワードでズバリ解説。これから中森明菜を聴いてみようという人、当時聴いていたものの、音楽的に再確認したいという人にとって、唯一無二の導入となる1冊だ。
< single >
スローモーション/少女A /セカンド・ラブ/ 1/2 の神話/トワイライト - 夕暮れ便り - /禁区/北ウイング/サザン・ウインド/ 十戒 (1984) /飾りじゃないのよ涙は/ミ・アモーレ/ SAND BEIGE - 砂漠へ - / SOLITUDE / DESIRE - 情熱 - /ジプシー・クイーン/ Fin /ノンフィクションエクスタシー/ TANGO NOIR / BLONDE /難破船/ AL-MAUJ / TATTOO / I MISSED "THE SHOCK" / LIAR / Dear Friend /水に挿した花/二人静 -「天河伝説殺人事件」より/忘れて...
< album >
プロローグ〈序幕〉 /バリエーション〈変奏曲〉 /ファンタジー〈幻想曲〉 / NEW AKINA エトランゼ/ ANNIVERSARY / POSSIBILITY / SILENT LOVE / BITTER AND SWEET / D404ME / MY BEST THANKS /不思議/ CRIMSON / Cross My Palm / Stock / Wonder / Femme Fatale / CRUISE
【CONTENTS】
はじめに
第一期 <出現> 1982-1983
第二期 <飛翔> 1984-1986
第三期 <爛熟> 1986-1987
第四期 <到達> 1988-1989
第五期 <総括> 1990-1991
終章 「中森明菜の音楽」とは何だったのか
おわりに
■スージー鈴木さんプロフィール
すーじー・すずき/1966年大阪府東大阪市生まれ。音楽評論家、ラジオDJ、作家。昭和歌謡から最新ヒット曲まで、幅広い領域で、音楽性と時代性を考察する。著書に『桑田佳祐論』『サザンオールスターズ 1978-1985』『EPICソニーとその時代』『平成Jポップと令和歌謡』『恋するラジオ』『80年代音楽解体新書』など多数。
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