マンガ『ゴールデンカムイ』を読んで、アイヌ民族の文化や伝統に興味を持った人も多いだろう。とはいえ、まだまだアイヌが抱える差別や生きづらさは解消されていない。
2023年12月12日『アイヌもやもや 見えない化されている「わたしたち」と、そこにふれてはいけない気がしてしまう「わたしたち」の。』(303BOOKS)が発売される。
著者は東京都杉並区生まれのアイヌ、北原モコットゥナシさん。アイヌをとりまく無知・無理解や差別の構造、そしてマイノリティとマジョリティの関係などを考えていくと、女性やLGBTQ+、障がい者など他のマイノリティに重なる部分も見いだされる。
アイヌについて「とても重要なことだけど、正面から議論するには勇気がいる」「深く考えたいと思っても、漠然とした知識しかないので難しい」と考えてしまう方に、マンガでやさしく解説してくれる。
マンガを担当したのは、母からの過干渉への葛藤や男性を中心に回る社会への疎外感を描いてきた田房永子さん。本作では、アイヌにルーツをもつ東京在住の高校生を主人公に、彼をとりまく人々を描く。持ち前の鋭い視点で、アイヌが日常の中で会う「もやもや」を伝えていく。
アイヌ民族を取り巻く問題は難しい話ではある。しかし、目をそらして見えない存在としてはいけない。まず、漫画で知ることから始めてみよう。
■北原モコットゥナシさんプロフィール
きたはら・もこっとぅなし/1976年東京都杉並区生まれ。北海道大学アイヌ・先住民研究センター教授。アイヌ民族組織「関東ウタリ会」の結成に両親が関わったことで、文化復興や復権運動をはだで感じながら育つ。13歳のころ、北海道に暮らす祖母、小田トーニンテマハの影響でアイヌ語樺太方言や樺太アイヌの文化に関心をもつ。和名は北原次郎太。著書に『アイヌの祭具 イナウの研究』(北大出版会)『ミンタㇻ1 アイヌ民族27の昔話』(小笠原小夜氏と共著、北海道新聞社)など。
■田房永子 さんプロフィール
たぶさ・えいこ/1978年東京都千代田区生まれ。漫画家、エッセイスト。2001年、アックスマンガ新人賞佳作受賞。母からの過干渉に悩み、その確執と葛藤を描いたコミックエッセイ『母がしんどい』(KADOKAWA/中経出版)を2012年に発行。大きな反響を呼ぶ。他にも『キレる私をやめたい』(竹書房)、『上野先生、フェミニズムについてゼロから教えてください!』(上野千鶴子氏と共著、大和書房)など著書多数。
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