2023年9月1日、占い師・早矢（はや）さんの著書『世界のビジネスエリートが身につける教養としての占い』（クロスメディア・パブリッシング）が発売された。
本書は、占いの歴史や構造から、その問題点、活用法までを解説したもの。「当たるか当たらないか」のような世界ではなく、文化や教養の側面から「占い」を見つめ、昔の偉人や現代のビジネスエリートたちが占いをどのように「活用」しているのかを紹介してくれる。
著者の早矢さんは、20歳のころに大病を患ったのがきっかけで、占い師の世界に入った。西洋占星術とタロットの技能をベースに、国家資格を取得したキャリアコンサルタントの知見も踏まえた鑑定を行っている。
そんな早矢さんの顧客の中には、誰もが知っている一流企業の経営者や社員、大学教授や医師など、いわゆる「エリート層」と呼ばれる人たちが多いそうだ。彼らは、占い師の言葉に一喜一憂するのではなく、鑑定を客観的な「助言」と捉え、自分を知り、判断するための材料として活用しているという。
古今東西を問わず、多くの傑出したリーダー、ビジネスパーソンたちは「占い」を活用してきた。武田信玄は、占い師の助言によって「武田晴信」から改名し、手相占いによって戦術や戦略を立てることもあったとされる。また、ビル・ゲイツが創業したマイクロソフトは、インド風水に基づいてデザインされた自社ビルを建てた時期から業績が急伸。ゲイツ自身がインド風水の信奉者となり、自宅や別荘の設計に取り入れるようになったという。
パナソニックの創業者・松下幸之助も、占いを重視したことで知られる。「幸之助」という名前自体が、戦後に占い師の進言をもとに改名したものだ。ただし、占い師の言うことを何でも信じたわけではなく、あくまで判断材料として利用していたとされる。
たとえば、現在の大阪府門真市に本店と工場群を移転した際、占い師からは「わざわざ方位の悪いところ（鬼門である北東の方向）に行くのはやめたほうがよろしいで」と忠告があった。しかし松下は、「南西から北東へ長く伸びる日本は、どこへ行っても鬼門ばかりやないか。気にせんとこ」と、最終的には移転の決断を下したという。
ビジネスエリートは、何でも当ててくれる「予言」ではなく、重大な選択に対する視野を広げ、新たな判断材料を与えてくれる「助言」として占いを活用してきた。占いとビジネスの意外な関係を知ることができる一冊だ。
【本書の目次】
第1章 日本人が知らない占いのパワーと活用法
第2章 成功者と占いの親密な関係
第3章 なぜ未来がわかるのか？ 西洋占星術の「構造」を読み解く
第4章 この悩みはこの占いで解決！ 占いの4分類
第5章 占い師を選ぶ際の7つのチェックポイント
■早矢さんプロフィール
はや／占い師、西洋占術実践研究家、キャリアコンサルタント。占い師として活動する傍ら、法政大学キャリアデザイン学部で「キャリアデザイン・キャリアカウンセリング」を学んだ後、国家資格のキャリアコンサルタントを取得。コンサルタントの知見と西洋占星術、タロットの技能を融合させた独自の鑑定を実践する。これまで鑑定した人数は2万2000人超。「やさしく懇切丁寧にとことんサポートする」をモットーに、「占いカウンセリングサロン インスパイア吉祥寺」を主宰。TV・新聞・雑誌・WEB等メディア出演・連載多数。著書に『パワーストーン事典』（マイナビ文庫）がある。産経学園にて西洋占星術・タロット専任講師を務める。YouTube公式サイト「早矢の占いチャンネル」更新中。
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