これは神の子として生まれた、郷田るなの伝記である――。
意志強ナツ子さんのマンガ『るなしい』は、7月12日発売の「週刊文春エンタ+」(文藝春秋)で発表された「週刊文春エンタ マンガ賞!」で今年上半期の最高賞に選ばれた話題作だ。
火神を崇め、信者ビジネスで生計を立てている「火神の医学鍼灸院」。その家に生まれ、神の子として生きる高校生、るなは、かつて火神の子であった祖母、「おばば」と一緒に暮らしている。ある日、るなが「宗教の人」としていじめられているところをクラスの人気者、ケンショーが助けてくれる。その出来事をきっかけにふたりは距離を縮め、るなはケンショーに恋をしてしまう。だが、神の子であるるなに恋は許されない。るなは、ケンショーを「ビジネス」に取り込むことを決意して――。
本作は冒頭、主人公・郷田るなが刑務所にいるシーンから始まる。るなとは何者で、なぜ刑務所にいるのか? 読者はラストを知ったうえで、彼女の運命を辿っていくことになる。
文芸誌「小説現代」(講談社)で連載中で、現在2巻まで刊行されている。
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