昔大切にしていたぬいぐるみとのエピソードは、多くの人にとってかけがえのない思い出になっている。今回は、46体のぬいぐるみと持ち主たちとの大切なエピソードがまとめられたユニークな1冊を紹介する。
2022年2月16日『古いぬいぐるみのはなし』(産業編集センター)が発売された。
本書は、ぬいぐるみを愛する北欧雑貨店店主・田村ふみ湖さんが、同じくぬいぐるみを愛する同志たちを探し出してインタビューしたフォトエッセイだ。ぬいぐるみとの出会いや思い出が集められている。
上の写真のぬいぐるみは、1960年代のドイツ、シュタイフ社のビーバー。ナギーと名付けられたこのぬいぐるみの持ち主は、56歳の主婦だ。リビングの棚に置いて、「じゃあね」「ただいま」など、声をかけているという。
続いて、こちらは、フィンランドで購入された「スコブルちゃん」。すこぶるかわいいことから名づけられた。持ち主は、42歳の雑貨店店主。北欧で古いぬいぐるみをたくさん買い付けて販売していたころに、スコブルちゃんと出会った。大らかでなんでも包み込んでくれる、「お母さんみたいな存在」だという。
お次は、北欧手芸講師をしている56歳女性が、36歳のころに手作りしたクマのぬいぐるみの「やまくん」。スウェーデンに住んでいたころ、幼稚園でフェルトのクマをつくったことを思い出し、30年後にそれを元デザインとして、息子さんが生まれる前に作ったもの。「やまくん」はその息子さんが、「クマは山にいるからやまくんだよ」と名付けたという。
野性的な顔立ちをしたドイツ製のビーバー、明るい空色が目を引くフィンランドのウサギ、20年前に息子のために作ったテディベア...。どれもかけがえのない思い出が詰まっている。少し汚れていたりするのも愛情の証だ。
小さなころ、コアラのぬいぐるみをいつも大事に持ち歩いていた田村さん。近所ではぬいぐるみ好き少女として知られていたという。
今回本を作るにあたり、 まずはぬいぐるみ好きな人を探すことからはじまりました。
雑貨店の店主さんやアーティスト、
古いもの好きのお客さんから友人まで、
わたしの回りにいる"持っていそうな人"に尋ねていき、 見つけることができました。
どんどん出てくるぬいぐるみのエピソード。
それぞれに大事な物語があります。
普段は聞くことのないぬいぐるみのこと、
みなさんの心の中を、ちょっとだけのぞかせてもらいました。
ぜひ、あなた自身の大好きなぬいぐるみの思い出と重ね合わせて読んでほしい。他の人の思い出にも共感できる部分やクスっと笑える部分があり、楽しめそうだ。
■田村ふみ湖(たむら・ふみこ)さんプロフィール
1979年生まれ。兵庫県神戸市在住。2009年より北欧雑貨店「マルカ」を夫と営み、年に数回北欧へ行き、雑貨の買い付けをしている。うさぎ山ごんぞうさんと担当しているショップのインスタグラムも人気!
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