九尾かやさんの新作BL漫画『ハッピー・オメガ・バース』(コスミック出版)が、4月15日、発売された。
本作は、男・女などの性別とは別に、「アルファ・ベータ・オメガ」の第2の性が存在する世界観設定「オメガバース」を採用した作品。
不良少年集団「GENBU」の元総長で、現在は板前修業中の鉄司(アルファ)はある日、繁華街で絡まれていたサラリーマンの金田(オメガ)を助ける。その場ではすぐに別れたものの、その後に金田が鉄司の務める小料理屋に訪れたことで再会。「俺、先日助けて頂いたオメガです! 好きです!」。それ以来、金田からまっすぐな好意を向けられるようになる。しかし、過去のトラウマのせいで鉄司はオメガが苦手で――。
「俺、オメガ無理」
金田の告白を、鉄司は即座に拒否する。しかしそこで挫けることなく、金田はアプローチを続けてくる。だが決して強引ではなく、健気に一途に近づこうとしてくる。「鉄司さんのお料理凄く美味しいです!」。小動物のような金田の表情が可愛らしい。「まあ...良い子なんだけど...」と、金田を突き放しきれない鉄司も愛おしい。
2人に限らず、本作の登場人物は誰もが優しい。ほんの一部を除き、どの人物も温かい性格をしている。当て馬役でヤクザの組長のジュリアンですらも、完全な悪役ではなく、優しい一面をたびたび見せる。
そのため、たびたび出てくる暴力表現もあくまでアクセント程度にとどまっており、キャラクターの可愛らしさを純粋に楽しめる作品に仕上がっている。
本作を気に入った人は、九尾かやさんの前作『隣の慧くんは愛がこわい』(芳文社)もおすすめ。
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