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「底辺」から年商10億社長へ 大逆転を可能にした発想

テクノロジーが爆発的な速さで発達し、AIやロボットに人間の仕事が奪われると言われて久しい。ビジネスも人生もテクノロジーと共存していくことが求められる今、私たちに必要なものとは何なのか?もっと具体的に言おう。これからの時代「食っていける人」とはどんな人なのか?

『「まだない仕事」で稼ぐ方法』(ワニブックス刊)はこの問いを考えるヒントを与えてくれる一冊。夢を挫折し、何もないところから起業して年商10億円、年収1億円を達成した著者、吉角裕一朗さんが、未来への知見を授けていく。吉角さんが考える、これからの時代を作っていく人とはどんな人なのか。そしてこの本をどんな人のために書いたのか。ご本人にお話をうかがった。

前編「「実直さ」はもういらない?これから評価されるビジネスパーソンの特徴」はこちらから

■「人生詰んだ感覚」を持っている人に読んでほしい

――今は経営者として活躍している吉角さんですが、キャリアがユニークで、かなり本格的に格闘技をされていたんですね。

吉角:高校の時に柔道をやっていて、卒業後に高田延彦さんの道場に入ってからは総合格闘技です。そこから4年くらいやりましたね。

――前編でご自身のことを「底辺だった」とおっしゃっていましたが、後に起業したのは底辺からの一発逆転を狙ったのでしょうか。それともやりたい事業があったのでしょうか。

吉角:明確にやりたいことがあったわけではないんです。夢もなかったですし。起業したのは地元の熊本に帰ってからなんですけど、帰る時には格闘技はやめてしまっていましたし、フリーターで職を転々としつつスロットをやって食べているような状態でした。

お金もなかったし、格闘技以外の自分の道を見つけなきゃという気持ちもありました。自分の好きなものと自分の人生プランがずれてきていることに気がついて、焦っていましたね。

――なぜ格闘技をやめてしまったんですか?

吉角:ケガもあったのですが、21歳くらいの時から迷ってはいました。そのくらいの年齢になると自分の限界みたいなものが見えてくる。でも、その時人に相談すると「おまえ、それは逃げてるだけじゃないか」とか「最初やると決めていたことと違うじゃん」と言われるわけです。

冷静に考えると、あきらめないで最初に決めたことをやり遂げるだけじゃなくて、早い段階で損切りして新しい目標を設定しなおすっていうのも賢明な判断じゃないですか。でも当時の僕はこういうアドバイスを真に受けて、格闘技をあきらめるという決断がなかなかできなかったんです。結局は22歳でやめたわけですけど、「格闘技でPRIDEに出たい」という一心でしたから、リセットするのは大変でした。

――強い思い入れがあることほどやめるのに勇気がいりますよね。

吉角:やめると18歳からの4年間が無駄になると思うと、なかなかスパッとやめられるものではないです。時間かかりましたもん。

――ただ、22歳で格闘技をやめてから2年ほどで起業されていますから、切り替えは早かったのではないですか?

吉角:やめてから語学の専門学校に通いはじめたんですけど、その2年目に就活をしたんですよ。渋谷でベンチャー系の就活イベントがあって、そこで何人かの経営者と話す機会があったんです。そこではじめて「世の中を作る側」と「作られたものに従う側」があることに気づいた。どうせなら「世の中を作る側」になりたいと思ったのが起業した理由です。

もっといえば、会場に来ていた経営者は大体2代目社長とか雇われ社長ばかりで、起業した人はほとんどいなかったんです。それで「この人たちより、絶対おれの方が能力あるし、いい世の中を作れる」と思ったんですよね。

――そして始めたのが再生バッテリーの販売ビジネスだったわけですね。

吉角:再生バッテリーに限らず、コーンテックという、例でいうと焼酎を作った時に出る焼酎カスやパンのメーカーがだす廃棄のパンのような、これまで捨ててしまっていたものをエコフィードとして家畜のエサにする仕組みを作ったりもしています。

特に豚は、人間と食べるものがほとんど変わらないので、割と何でも使えるんですよ。経済性も含めて、社会の中で資源とエネルギーを循環させる仕組みを作るのが自分の仕事だと思っています。

――今回の本をどんな人に読んでほしいとお考えですか?

吉角:自分もそうだったのですが、「人生詰んでいる」感覚がある人に読んでほしいと思っています。

このままいっても自分はここまでだなとか、生涯賃金はこれくらいだよなとか、行き詰まりの感覚を持っている人って多いと思うんです。たとえば自分が働いている業界が先細りになるとわかっているのに、それでもそこでキャリアを積んでいる人は「詰んでいる」感覚を持っているはずです。

そういう感覚を持っている人に勇気を抱いてチャレンジしてほしいという思いがあってこの本を書きました。「自分はここまで」と決めつけているのは既存の価値基準や過去に縛られているからかもしれません。そういうものはばっさり切り捨てて、子どもの頃のように自由に「こんなことをしたいな」「こうなりたいな」と考えて、その方向に動いてみればいい。

その時は、今の価値観の流れに乗るのではなくて、何もないところから「次はこういう世界になるんじゃないか」「それならこういうことが必要じゃないか」と思考のアプローチを変えることが大切です。今回の本はそのための役に立ってくれるのではないかと思っています。

(新刊JP編集部)

前編「「実直さ」はもういらない?これから評価されるビジネスパーソンの特徴」はこちらから

■イベント情報
吉角裕一朗さんによる『「まだない仕事」で稼ぐ方法』(ワニ・プラス)刊行記念トークショー&サイン会「ドラえもんの存在を信じる大人が未来を作る」が2019年10月30日 (水)、八重洲ブックセンター本店で開催されます。
詳細はこちら→https://peatix.com/event/1341991

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