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NHKツイッター「中の人」が裏事情を語る

 “お堅い”イメージのNHKにそぐわないほんわかしたお気楽なキャラクターとユーモラスなつぶやきが、ツイッター上で絶大な支持を集めた「NHK_PR1号」を覚えている人は多いだろう。
 「中の人」がどんな人物なのかはさまざまな憶測を呼んだが、このアカウントの初代担当者が今年7月にNHKを退社、「浅生鴨」名義で小説家としてデビューし、新潮社が発行する文芸誌『yom yom』2014年秋号(11月1日発売)で初の連載「終焉のアグニオン」をスタートした。

 このタイミングで行われたのが、浅生氏と放送作家・河野虎太郎氏のトークイベント「元NHK_PR1号 浅生鴨“覆面”トーク ~ 時計のナカノヒトの気持ち」だ。
 浅生氏は「まだ人前に出るのが慣れないので恥ずかしい」と、かぶりものにサングラス姿での登場となったが、3連休最終日となった11月3日(月)、会場となった新宿「Cafe Live Wire」に集まった聴衆を前に、NHK時代のエピソードや「NHK_PR1号」としてのウラ話、今後の活動についてなど、河野氏を相手に大いに語ってくれた。

■実はツイッターばかりやっているわけではなかった
 イベントは浅生氏と河野氏が雑談のような形で話しはじめる、ゆるいスタートだったが、徐々に話題はNHK時代のことに。
 「NHK_PR1号」としてツイートしていた頃は、あまりに頻繁にツイッターに出没するため「ツイッターでつぶやくことがメインの仕事だと思われていた」という浅生氏だが、実際は、NHK広報局員として番組撮影や編集、企画立案にプレゼンなど、多岐にわたる仕事に追われていたようだ。
 
 それでも、「自動ツイート」を駆使するなどして、あえて一日中ツイッターをやっているように演じていたという浅生氏。そこには「“NHKの人ってすごく働いているんだ”と思わせたかった」「いろいろ問題が出るので本当の労働時間がわからないようにしたかった(笑)」など、「中の人」の裏側を暴露。「自動ツイートに見せかけた手動ツイートをしたり、手動ツイートに見せかけた自動ツイート、のふりをした手動ツイートだったり」と高度(?)なテクニックを披露してくれた。

 しかし、繰り返すが浅生氏の“本業”はNHK広報局で番組のPRをする「広報マン」だった。自身が制作を手がけ、NHK東日本大震災復興プロジェクトの一環として放送された「神戸からあなたへ」では、自ら企画を立ち上げ、予算がつかないなか、スタッフとともに連日サウナに泊まり込んで撮影を行ったというエピソードを披露。
 また、ソチパラリンピック時はPR映像撮影では、より臨場感のある映像を作るために選手がスキー競技で使う急斜面を、転びながらも自ら滑走したという逸話など、その豊富な経験談に聴衆は聞き入っていた。

■『yom yom』で連載開始「終焉のアグニオン」とは?
 そして、気になるのは、やはり今後の活動だ。
 『yom yom』で連載を開始した「終焉のアグニオン」は、過剰な欲望を持つことを禁じる組織“アルビトリオ”に統べられた世界を描いたSF小説。最貧地区出身の坑夫・ユジーンは、アルビトリオに登用されるために、その条件となる“星を離れた経験のある者(リテイター)”を志すが……。
 この作品について、浅生氏は「こんなに長い作品を書いたのは初めて」として「大まかな構想はあったけど、書いてみるまでどうなるかはわからなかった」と、初めての小説執筆の感触を語ったが、「読み返してみたら、おもしろかった」と、連載初回の出来栄えには自信をのぞかせた。
 今後はフリーランスのCMプランナーとして、そして作家としての活動も本格化させていく浅生氏。「中の人」を引退して外に出た同氏がどこまで活動の場を広げていくのか。これからも目が離せない。
(新刊JP編集部)

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ペンネームにちなんだ「鴨」のかぶりものを着けて登場した浅生氏。「恥ずかしい」とのことだったので顔にはモザイクを入れさせていただいた。

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