良かれと思ってやったことなのに、相手があまり喜んでくれなかった。
こんなちょっと悲しい経験は誰にでもあると思います。
喜んでもらえると思って買ったプレゼントが、なぜか相手はうれしそうではなかった、クライアントのためを思ってやったことがうまく相手に伝わらなかった、というようなことは、時と場所を選ばず起こりうることです。
ところで、こういう問題が起こった時、私たちはその原因が自分の「コミュニケーション」にあると思い「伝え方が悪かったのかな」と考えてしまいますが、実はこれは間違い。
『マッキンゼー流 入社1年目ロジカルシンキングの教科書』(SBクリエイティブ/刊)の著者、大嶋祥誉さんは、こういったことの本当の原因は「ロジカルシンキング(論理思考)」ができていないことだとしています。
■実はカンタン?「ロジカルシンキング」とは何か?
「ロジカルシンキング」というと、理屈っぽく小難しいイメージがありますが、実際はシンプルで、「深い洞察による自分の考えを持って、わかりやすく伝える」ということです。
たとえば、「女性が喜ぶプレゼントランキング」の1位が「アクセサリー」だったからといって、結婚記念日にネックレスをプレゼントしたとしたら、奥さんは喜んでくれるでしょうか。
この記事のランキングがどのようなアンケートに基づいて作られたのかもわかりませんし、仮に奥さんがアクセサリー好きだったとしても、ネックレスが好きかはわかりません。そして、そもそも奥さんがプレゼントは二の次で、お互い忙しい毎日の中、結婚記念日はゆっくり夫婦で一緒に過ごしたいだけかもしれないのです。
こういったことを考えずにプレゼントを決めてしまうのは、やはりロジカルシンキングでいうところの「深い洞察」まで至っていないといえます。
■ロジカルシンキングに不可欠な「深い洞察」のトレーニング
では、この「深い洞察」をする力はどのように養っていけばいいのでしょうか。
大嶋さんは、本書の中で
・「知っているつもり、わかっているつもり」から抜け出すこと(「記念日だからプレゼント」という常識を疑ってみる)
・「相関関係」と「因果関係」を一緒にしない(「女性はアクセサリー好き=自分の奥さんがアクセサリー好き」とは限らない)
などを挙げ、物事を深く考える秘訣を教えてくれます。
言いたいことが相手にうまく伝わらないという人、誤解されやすいという人は、コミュニケーション方法を見直すのではなく「相手が何を求めているかを掘り下げて考えること」が問題の解決につながるのかもしれません。
本書には、今回取り上げた「深い洞察」のさらに詳しい解説や、その洞察を展開し、自分独自の考えに飛躍させるためのノウハウが、わかりやすい言葉でつづられています。
仕事にだけ必要な能力だと思われがちな「ロジカルシンキング」ですが、身につければその効果が日常生活の隅々にまで及ぶことがわかるはず。何歳から始めても遅すぎるということはないので、ぜひ今日からチャレンジしてみてください。
(新刊JP編集部)
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