仕事帰りに「またあそこに行きたいなぁ」と立ち寄りたくなるお店や、行くとついつい長居してしまうお店。
こんな「行きつけ」の居酒屋、あるいばバーは、誰でも一軒か二軒は持っているはず。
そして、その店が「行きつけ」になった理由は、どうやらおいしいお酒や料理だけではないようです。
『なぜかいつも満席の居酒屋のおやじがやっている「つかみ方」』(氏家秀太/著、扶桑社/刊)を読むと、特に個人で経営している居酒屋において、「おやじ(=経営者、店長)」の立ち居振る舞いがいかに集客に強く結び付いているかがわかります。
たとえば、店内での会話一つとっても、繁盛している店のおやじは客の心をがっちりつかみます。
その方法は、ビジネスマンにも有効で、営業マンであれば顧客を自分のファンに、経営者であれば取引先企業を自社のファンにするために、大いに役立ってくれます。以下、相手の心をわしづかみにするメソッドを3つ紹介しましょう。
■「君だから話すけど…」は魔法の言葉
小さなお店ほど、店員と客との距離が近いもの。それゆえ、繁盛している店のおやじは、お客の心をつかむ会話がわかっています。
たとえば、「君だから話すけど…」は、お客の心をつかむ“魔法の言葉”だといいます。
こんな切り出し方で、おやじからちょっとした相談を持ちかけられたら、自分を「特別な存在」として頼ってくれていると思って、自尊心をくすぐられ、親身に聞いてあげる気持ちになるはずです。
相談事でなくても「あなただけ」というニュアンスを出して接することは、相手の心をつかむための、とっておきのテクニックなのです。
■「アハハ」と声を出して笑う
笑顔は接客の基本、とはいえ、笑顔にも様々な種類があります。
口角を上げるだけだったり、顔だけで笑顔を作ろうとすると、人によっては「本心で笑っているのかな?」と疑念を持ってしまったり、皮肉っぽさを感じてしまいかねません。
しかし、「アハハ」と大きな声を出して笑えば、誰が見ても楽しくて笑っているように見えるはずです。
だからこそ、繁盛している居酒屋のおやじは、たとえ客の話がつまらなくても「アハハ」と声を出して笑います。自分の話を聞いて、大声で笑ってくれたら、誰だって悪い気はしませんよね。こうすることで、相手は自分を信用してくれるようになるのです。
■10人中9人に嫌われる
できることなら、周りの人みんなに好かれたいというのが人情。ですが、こと商売となると、それが仇となることもあります。
商売繁盛の秘訣は、繰り返し足を運ぶファン(=リピーター)を作ること。そのためには、誰にでも好かれる万人向けのお店ではなく、10人のうち9人が嫌っても、1人が熱烈に支持するような、独自の魅力がある店を作っていくべきなのです。
万人向けのお店は敵を作らない代わりに味方も作りません。
これはあなた自身のビジネスにも言えることでしょう。
本書には、繁盛している居酒屋のおやじがどのようにして客の心をつかみ、自分の店のファンにしているか、そのテクニックや話術、集客術が細かく解説されています。
人をひきつけるという点で、あらゆるビジネスに応用可能なので、本書を片手に馴染みのお店のおやじの行動を観察してみると、自分の仕事に活かせる部分が見つかるはずです。
(新刊JP編集部)
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