人生は人と競争したり、戦ったりすることなしには語れません。仕事はもちろん、学校生活や家庭内など、いたるところに競争や戦いは潜んでいます。それらに勝利したり、あるいは戦う前から勝っているような状況を作れるか否かに、人生の成功者になれるかどうかがかかっていると言っても過言ではないのです。
荒木飛呂彦の人気漫画『ジョジョの奇妙な冒険』(集英社/刊)の魅力はなんといっても登場するキャラクターたちが、どんなに敵に実力で劣っても戦略的思考で乗り越え、勝利し続けていることです。この作品の中には、私たちが教訓にするべき勝負・戦いの鉄則が詰まっています。
今回は『ジョジョの戦略 最後に必ず勝利する方法』(富田英太/著、あさ出版/刊)から、その一部を各キャラクターの名セリフを添えて紹介します。
■他人に「劣っている」と思われている点を武器にする。
第5部に登場するホルマジオの能力は、自分や相手を小さくすること。この能力は攻撃的なものではありませんし、発動するまでに時間がかかるため、仲間からは「くだらない」といわれています。しかし、彼はその「くだらなさ」を自覚し、有効な使い方を磨きあげることで、相手と戦う武器としたのです。
ホルマジオとの戦いにおいてナランチャが決定的に追い詰められたのは、彼がホルマジオの能力を過小評価したからだといえます。つまりホルマジオは相手を油断させることで自分の能力を最大限生かしたのです。
「『くだらねー』っていうオレの能力の効果がよォーーーー」(単行本第50巻)は、彼のそんな試みが実を結んだ瞬間に出た名セリフだと言えます。
些細な力や欠点であっても、勉強して生かし方を学べば大きな強みとなる。このことは、私たちも肝に銘じておくべきでしょう。
■ギリギリの勝負では、相手を圧倒するほどの度胸を持つ
度胸とは、言い換えると物事に動じない胆力です。第3部の主人公、空条承太郎は、この胆力がずば抜けています。
ダービーとのポーカー対決は仲間や母親の魂がかかっているという、まさにギリギリの大一番でした。承太郎は、配られたカードを一枚も見ることなくチップを積み増します。この行為がイカサマによるものか、それともただのハッタリかがわからず惑わされ、混乱したダービーは自滅し、勝負は承太郎に軍配が上がりました。しかし、カードをめくってみると承太郎の手は役なしだったため、自滅さえしなければダービーの勝ちだったはず。
たとえ分が悪いとわかっていても「さあ!賭けるか!賭けないか!ハッキリ言葉に出して言ってもらおうッ!」(単行本第23巻)と逆に勝負を煽る承太郎の胆力たるや恐るべし、ですね。
■ピンチのときはとりあえず泣きわめいて、冷静な思考を取り戻す。
感情というものは体の中に一定期間とどまるものです。たとえば悲しみや怒りなど、負の感情を覚える出来事が続くと、心にはその感情がたまり、やがて自分自身が負の感情に支配されてしまうでしょう。
そうならないためには、感情を溜めこまずにわざと泣き叫んでみるのは一つの方法です。そうすることで一度気持ちがリセットされ、冷静さを取り戻すことができます。第2部で、ジョゼフに腕を切られたショックを「う~~~~うううあんまりだ…HEEEEYYYYあァァァんまりだァァァァ」(単行本第9巻)と泣き叫んで解消した、エシディシを覚えている人は多いはず。あれこそが「戦略的に泣く」ということなのです。
『ジョジョの奇妙な冒険』を読むと、あらためてこの作品が私たちも身につけておくべき勝負事の鉄則に満ちていることがわかります。その鉄則を集めた本書は、前作『ジョジョの覚悟 今の自分を超える方法』とあわせて読むと、「覚悟」して選びとった目的を必ず達成するための「戦略」が見えてくるはずです。
(新刊JP編集部)
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