日本人にとってタコはなじみ深い。タコ焼きや刺し身で食卓に並ぶ人気食材であり、絵画や漫画などでは、愛嬌(あいきょう)のあるキャラとして描かれてきた。「デビルフィッシュ」と称され忌み嫌われてきた西洋とは対照的である。
本書によるタコには驚くべき知性が備わっているという。たとえば、図形を理解する能力、餌を与える人間への感情表現などがある。また、鏡に写った自身を認識する能力や、仲間とじゃれ合う社会性やコミュニケーション力は通説を覆す新たな発見だ。
著者は琉球大教授で世界的に注目される「タコ学」研究者。沖縄の海でのフィールドワークを通し、この〝海の賢者〟の不思議な生態に迫る。タコに魅入られ沖縄へ向かった著者と学生たちが繰り広げる研究奮闘の様相があざやかに描かれている点が目新しい。
読了後、生命や知性の奥深さを考えずにはいられない1級のエンターテインメントだ。
産業経済新聞社発行が発行する、首都圏・近畿圏を中心に販売されているタブロイド判夕刊紙。ターゲットは30代~60代を中心とした都市型男性ビジネスマン。 WEB版は「ZAKZAK」(http://www.zakzak.co.jp/)で、紙面と同じ記事だけでなく、WEBオリジナルの記事も人気。 書評は毎日掲載しており、紙面ではこのコラムで掲載されたもの以外も読むことができる。
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