法廷映画の金字塔『十二人の怒れる男』は、陪審員の男たちが被告の罪を議論する様を丹念に描き、今も語り継がれる名画となった。だが同書では、登場する12人の「人類」が、いわば〝被告〟だ。クリント・イーストウッドや前澤友作氏、八村塁など、誰もが知る著名人が取り上げられ、人物評、そして現代日本の社会問題が痛快に論じられてゆく。
同書での小林よしのり氏の姿はといえば、頭はつるっぱげで、腹がぽっこり膨らみ、かなり自虐的。時評は会話の掛け合いで展開され、氏らしからぬ(失礼!)シナリオ文の少なさと、高いギャグ濃度も特徴的だ。たとえば、皇族の結婚問題を論じる際は、「眞子さまがかわうそうで...」と、小動物のカワウソに変身して号泣するのである。
笑えて易しい社会時評を追求した同書、事前知識は必要ない。小林漫画の入門書に、また氏の著作から離れていた読書にこそ推薦だ。
産業経済新聞社発行が発行する、首都圏・近畿圏を中心に販売されているタブロイド判夕刊紙。ターゲットは30代~60代を中心とした都市型男性ビジネスマン。 WEB版は「ZAKZAK」(http://www.zakzak.co.jp/)で、紙面と同じ記事だけでなく、WEBオリジナルの記事も人気。 書評は毎日掲載しており、紙面ではこのコラムで掲載されたもの以外も読むことができる。
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