「エロスでよみとく万葉集　えろまん」　大塚ひかり著

新元号の出典で注目の「万葉集」。日本最古の和歌集だが、実は「君、センスいいね。名前、教えてよ。俺、天皇」といきなり権力をかさに着て天皇がナンパする歌や、「彼氏が来るから、パンツ脱いで待ってよう♪」と赤裸々過ぎるヤマトナデシコの歌、はたまた単身赴任先で愛人に入れあげてたら、本妻が乗り込んできて真っ青になった部下を説教する上司の歌まで、何でもありの、エロ面白い歌のオンパレードなのだ。

色恋、ゴシップ、軽口など、題材のカジュアルもさることながら、4500首のうち2000首が詠み人知らず、つまり匿名というところも現代のＳＮＳとよく似ているのだとか。そんな古代のツイッター＝「万葉集」をエロ目線で、厳選＆超訳＆ポップに解説。「俺が恋に費やした労力を、人事考課シートに書き連ねて出したら、もっと出世してたわ～」なんて宮仕えのボヤキ歌まであったりして、古典なのに爆笑間違いなしの1冊。