河崎秋子という人物をご存じだろうか。酪農家にして小説家。海風の吹き荒れる地で、牛を飼い羊を追い、夜は物語と格闘する。デビュー1作目「颶風の王」では、ある家族と馬たちの150年に及ぶ共生を描き、壮大なスケールと独自の生命観で文学界を衝撃の渦にたたき込んだ。
そして本作「肉弾」は、北海道のカルデラ地帯で孤立した青年が熊や野犬と戦い、人間の生きる本能を覚醒させる、いわば肉体と魂の成長物語だ。同時に、文字通り徒手空拳の存在が不可能状況をサバイブしてゆくという、この上なく心揺さぶる冒険小説でもある。まさに、希代のエンターテインメント作家・大藪春彦の名前を冠した賞にふさわしい。
ヒトと獣の境界を越え、生きることの残酷と美に迫る河崎秋子は、われわれに何を見せようとしているのか?それはぜひあなた自身の目で確かめてほしい
産業経済新聞社発行が発行する、首都圏・近畿圏を中心に販売されているタブロイド判夕刊紙。ターゲットは30代~60代を中心とした都市型男性ビジネスマン。 WEB版は「ZAKZAK」(http://www.zakzak.co.jp/)で、紙面と同じ記事だけでなく、WEBオリジナルの記事も人気。 書評は毎日掲載しており、紙面ではこのコラムで掲載されたもの以外も読むことができる。
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