私立探偵ものを書くなら「普通の人」で書きたいという著者が創造した杉村三郎シリーズ。前作「希望荘」から2年ぶり5作目となる本作。普通の暮らしに隠された〝事件〟が、じわじわと胸に迫ってくる。
表題作は、自己中なシングルマザーの勝手きわまる依頼に周囲が翻弄される話。29歳の朽田美姫は16歳で子供を産み、その後再婚した相手との子供がすでに6歳。その相手とも別れていまは別の男と生活中。「子供の命がかかっている」との調査依頼だが、別れた男の子供が交通事故でケガをしたから「多額の見舞金をふんだくれないか」というムチャクチャな話。杉村は依頼に応えられるのか...。
ほかに、結婚した27歳の娘が自殺未遂して入院したが、母である自分が原因だと会わせてもらえないという依頼人の「絶対零度」、近所に住む中学生の娘の付き添いで出席した結婚式でとんだ騒動に巻き込まれる「華燭」の2編収録。いずれも読んだ後、怖くなる。
産業経済新聞社発行が発行する、首都圏・近畿圏を中心に販売されているタブロイド判夕刊紙。ターゲットは30代~60代を中心とした都市型男性ビジネスマン。 WEB版は「ZAKZAK」(http://www.zakzak.co.jp/)で、紙面と同じ記事だけでなく、WEBオリジナルの記事も人気。 書評は毎日掲載しており、紙面ではこのコラムで掲載されたもの以外も読むことができる。
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