内田百聞、大佛次郎、萩原朔太郎、三島由紀夫。猫に魅せられた文豪は数知れない。なかでも夏目漱石は猫の目を借りて、上辺だけで思想なく西洋を模倣しようとする滑稽さを痛烈に批判した。本書は絵本ではあるが、漱石作品にも通じる批判的精神の大切さを説いている。
ある火曜日の朝。ななめに傾いた猫が街にやってきた。猫のまねをしてななめに見てみると、無くした指輪を見つけて夫婦仲が良くなったり、すてきなヘアカットができるようになったり、古い友人と再会したりと、街の人に幸せが舞い込んでくる。
しかし、猫に傾倒した人々は―文字通り―みずからも車も建物も斜めにしてしまう。そしてラストには、驚きのどんでん返しが待っている。猫がわれわれに教えてくれることは意外にも多い。本書を機に、会社で家庭で、おのおのを見つめ直すのも一興であろう。
産業経済新聞社発行が発行する、首都圏・近畿圏を中心に販売されているタブロイド判夕刊紙。ターゲットは30代~60代を中心とした都市型男性ビジネスマン。 WEB版は「ZAKZAK」(http://www.zakzak.co.jp/)で、紙面と同じ記事だけでなく、WEBオリジナルの記事も人気。 書評は毎日掲載しており、紙面ではこのコラムで掲載されたもの以外も読むことができる。
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