「1972年8月15日――27回目の終戦記念日に、矢沢永吉はキャロルを結成した」という記述にハッとさせられる。アメリカ人の著者が見てきた日本のメンズファッション史ともいえる本書は、そのまま日本人が見落としてきた昭和史でもある。
キャロルの革ジャンとサングラス、リーゼント、バイクといったヤンキー・スタイルには元ネタがある。当時、ロンドンで人気を博していた50年代調のレトロブームだ。そうしたスタイルは矢沢たちの影響により、本物の不良少年たちにも広がり、そのあと暴走族の制服となり日本独自の進化を遂げていく。
アイビーやVANだけではなく、裏原宿のストリートまで著者の関心は幅広く、なぜ日本の若者がここまで服にお金を使うのかという分析も興味深い。敗戦国に生まれたコンプレックスや憧れが、ストレートに反映されたのが日本の服飾史なのかもしれない。
産業経済新聞社発行が発行する、首都圏・近畿圏を中心に販売されているタブロイド判夕刊紙。ターゲットは30代~60代を中心とした都市型男性ビジネスマン。 WEB版は「ZAKZAK」(http://www.zakzak.co.jp/)で、紙面と同じ記事だけでなく、WEBオリジナルの記事も人気。 書評は毎日掲載しており、紙面ではこのコラムで掲載されたもの以外も読むことができる。
記事一覧 公式サイト当サイトご覧の皆様!
おすすめの本を教えてください。
本のリクエスト承ります!
広告掲載をお考えの皆様!
BOOKウォッチで
「ホン」「モノ」「コト」の
PRしてみませんか?