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「骸骨考 イタリア・ポルトガル・フランスを歩く」養老孟司著

  「バカの壁」で一世を風靡(ふうび)した解剖学者の最新刊。ヨーロッパの埋葬の現場に足を運び、身体を使って丹念に思索する養老節に、読みほれることまちがいなし。訪れた数奇な墓や骸骨堂の写真72点がずらり、カラーで48ページにわたって並ぶ冒頭は圧巻だ。前著『身体巡礼』ではドイツ、チェコ、オーストリアを歩き、ハプスブルグ王家が代々行ってきた心臓埋葬の様子などを伝えた。今回は、南欧の3カ国を巡る。
 1859年、1日で4万人が死ぬ戦禍を目撃したアンリ・デュナンは、そのイタリア・ソルフェリーノの地で、「赤十字」の着想を得た。そこには今、9000人分の遺体を含む納骨堂がある。整然と並べてある理由は? そもそも、なぜヨーロッパでは骸骨で装飾をするのか? 理性を尊ぶ西欧社会で、こんな理不尽なことをする意義は? もの言わぬ「死者」と格闘して考え抜き、人生の意味を問う――養老流哲学の到達点がここにある。 

書名:骸骨考 イタリア・ポルトガル・フランスを歩く著者:養老孟司発行:新潮社定価:1500円+税

夕刊フジ

産業経済新聞社発行が発行する、首都圏・近畿圏を中心に販売されているタブロイド判夕刊紙。ターゲットは30代~60代を中心とした都市型男性ビジネスマン。 WEB版は「ZAKZAK」(http://www.zakzak.co.jp/)で、紙面と同じ記事だけでなく、WEBオリジナルの記事も人気。 書評は毎日掲載しており、紙面ではこのコラムで掲載されたもの以外も読むことができる。

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