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「蒲田の逆襲」田中攝著

  最近では、シン・ゴジラの上陸地点で話題になっている蒲田だが、実はこの街、語るべき多くのエピソードを内に秘めている。
 戦前の蒲田は「モダン都市」だった。都心から適度な距離にあったせいか、当時の先端技術をもった工場が集まり、住宅地も整えられている。飛行場や映画の撮影所まであり、隣の大森に住む多くの「文士」たちが闊歩(かっぽ)する街だった。
 ところが、第2次大戦中、多くの工場が軍需産業と化したことにより、米軍の集中的な空襲を受け、街は壊滅した。もちろん蒲田は見事に再生したわけだが、同時に「闇市」「危ない」「ごちゃごちゃ」といったイメージが独り歩きしてしまった。これは過酷な環境の変化や多様性を受け入れてきた蒲田の「懐の深さ」ゆえだと著者は述べる。
 都会でもない、田舎でもない住みやすさがあり、さらに多国籍という蒲田のカオスな魅力を発見できる本。 

書名:蒲田の逆襲著者:田中攝発行:言視舎定価:1500円+税

夕刊フジ

産業経済新聞社発行が発行する、首都圏・近畿圏を中心に販売されているタブロイド判夕刊紙。ターゲットは30代~60代を中心とした都市型男性ビジネスマン。 WEB版は「ZAKZAK」(http://www.zakzak.co.jp/)で、紙面と同じ記事だけでなく、WEBオリジナルの記事も人気。 書評は毎日掲載しており、紙面ではこのコラムで掲載されたもの以外も読むことができる。

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