本を知る。本で知る。

「反・民主主義論」佐伯啓思著

  トランプ大統領誕生――世界が仰天した結果だが、本書にはその”異常”が実現してしまう理由が説かれている。トランプの登場とは、民主主義の堕落や変質ではなく、「民主主義の本質」なのだという。米大統領選では、多大なカネを担保に「アメリカを強くする」と米国内の足場固めを訴えてきたトランプ。そこに、「力」を感じた大衆によって支持された。ヒラリーが訴える現実主義的なやり方では、何も変わらないという不満や不安をあおるばかりで、トランプの「非常識」を目立たせ、米紙での”トランプおろし”も、逆にトランプの「個性」を際立たせてしまった。
 大統領選は「見せ物」として「力」を誇示する方に勝機があるが、実は古代ギリシャでも同じような醜態が繰り返されていたそうである・・・民主主義の誕生から、憲法論争、安保問題、無差別テロなどが渦巻く現在までを網羅し、鋭い警鐘に満ちている。今こそ、必読の全十章である。 

書名:反・民主主義論著者:佐伯啓思発行:新潮新書定価:740円+税

夕刊フジ

産業経済新聞社発行が発行する、首都圏・近畿圏を中心に販売されているタブロイド判夕刊紙。ターゲットは30代~60代を中心とした都市型男性ビジネスマン。 WEB版は「ZAKZAK」(http://www.zakzak.co.jp/)で、紙面と同じ記事だけでなく、WEBオリジナルの記事も人気。 書評は毎日掲載しており、紙面ではこのコラムで掲載されたもの以外も読むことができる。

記事一覧 公式サイト

夕刊フジの書評からの一覧

一覧をみる

書籍アクセスランキング

DAILY
WEEKLY
もっと見る

漫画アクセスランキング

DAILY
WEEKLY
もっと見る

当サイトご覧の皆様!
おすすめの本を教えてください。
本のリクエスト承ります!

広告掲載をお考えの皆様!
BOOKウォッチで
「ホン」「モノ」「コト」の
PRしてみませんか?