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「松田さんの181日」平岡陽明著

  職業、役者。現在、末期がん。そんな松田さんを人生の師と仰ぎ、ひたすら飲み遊び歩く脚本家の私はあるとき、奥さんから松田さんの驚きの過去を聞き、恥ずかしさで死にたくなった――「カネがあるとかないとか、美醜だとか、空気が読めるとか読めないとか、そんなことお構いなしに、みんなで肩を抱き合い、赦し合いたいと夢想しながら生きているフシもある。でもそんな日は確実にやってこない」。
 オール讀物新人賞を受賞した表題作ほか、崖っぷちプロゴルファー、天才灘校生と落ちこぼれが通う不思議な「塾」、バブルとともにはじけた男の残した宿題、リストラ係を命じられた地方の老舗企業専務、そして、離婚してから始まった夫婦漫才コンビの晩年――人生のギフトが詰まった絶妙の6編に、涙するか爆笑するかは読者の心模様次第!
 情けないのになぜか心が揺さぶられて温かくなる傑作小説集。人生の天才はいないのである。 
 

書名:松田さんの181日著者:平岡陽明発行:文芸春秋定価:1620円+税

夕刊フジ

産業経済新聞社発行が発行する、首都圏・近畿圏を中心に販売されているタブロイド判夕刊紙。ターゲットは30代~60代を中心とした都市型男性ビジネスマン。 WEB版は「ZAKZAK」(http://www.zakzak.co.jp/)で、紙面と同じ記事だけでなく、WEBオリジナルの記事も人気。 書評は毎日掲載しており、紙面ではこのコラムで掲載されたもの以外も読むことができる。

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