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「中国の論理」岡本隆司著

  まず目を引くのは、帯の「中国は嫌い・・・しかし、これほどおもしろい国はない」という文言。これは編集者の作文ではなく、中国史の研究者である著者の本音だ。
 嫌いとは言うけれど、本書はよくある「嫌中本」ではない。われわれ日本人や西洋的な視点からは理不尽でメチャクチャに見える、中国人の行動原理や思考回路を、歴史にさかのぼって読み解いている。
 本書を読むと、謎や矛盾ばかりに見える中国にも、それなりの理屈があることがわかってくる。もちろん、それを受け入れるかどうかは別問題だ。「かつて中華に属したことがあれば、そこに『中国』の領土主権がある」。こんな一節を読むと、尖閣や南シナ海問題は容易に解決しがたいことがよくわかる。
 嫌いだから無視するのではなく、嫌いだからこそ知らなければならない。「厄介な隣人」とのつきあいかたを教えてくれる1冊だ。 

書名:中国の論理著者:岡本隆司発行:中公新書定価:820円+税

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