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「殺人犯との対話」小野一光著

  週刊文春の人気連載の単行本化。
 事件発生時に世間を震撼(しんかん)させた殺人犯や周辺人物の真相に迫る。特に刑務所や拘置所にいる殺人犯へ足しげく面会に行き、信頼関係を築いた上で殺人に至った背景や心理をあぶり出す、丹念な取材に基づく真相の解明は、ワイドショーなど一過性のテレビ報道とは対極的で、著者の持ち味といえよう。
 中でも、2002年に発覚する北九州監禁連続殺人事件の松永太死刑囚との「対話」は興味深い。血のつながりがない人たちをマンションに同居させ、内縁の妻を使って、暴力や通電をさせて死なせた。犠牲者は7人にも上る。マインド・コントロールで逃げ出す気力を失わせる、そんな松永死刑囚に手紙や接見をするうち、凶悪犯の手の内が透けて見える。事件化した死者8人という尼崎連続変死事件の主犯格・角田美代子をはじめ、絶えない連続殺人に果敢に向かい合う。

書名:殺人犯との対話
著者:小野一光
発行:文芸春秋
定価:1450円+税

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