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「シベリア最深紀行」中村逸郎著

  ロシアという国は決してモスクワだけではない。広大なシベリアの底知れぬエネルギーを抱えてこそ成り立っているのだ、ということを自らの足で歩き、秘話を聞き歩いて紹介。
 「住所はツンドラ」と表記するトナカイ遊牧民。今も活躍するシャーマンたち。シベリア各地に広がるイスラム教徒や仏教徒、そして各宗教の寺院をはしごする多様な民族からなる住民たち。何百年も周囲とのかかわりを絶った旧教徒の村やドイツ系流浪民の集落。
 研究者はもちろんのこと、日本の旅人やロシア人すら足を踏み入れたことのないシベリア最深部に分け入り、そこに根を張り、たしかに今を生きるあまりに多様で自由、豊かで柔軟かつ強靭(きょうじん)な人びとを訪ね歩いた政治学者の希有な記録。宗教対立、民族対立が世界中で激化し、国家や経済による統制が強まる今こそ、シベリア人たちの自由でしたたかな生き方に深い英知を見ずにはいられない。

書名:シベリア最深紀行
著者:中村逸郎
発行:岩波書店
定価:2400円+税

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