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「トウガラシの世界史」山本紀夫著

  意外なことに、日本で最も消費されている漬物は、梅干しでもタクアンでもなく、キムチだという、日本だけでなく、中国の麻婆豆腐やイタリアのペペロンチーノなど、いまや世界各国の料理にトウガラシは欠かせない。
 しかし、トウガラシはもともとアメリカ大陸原産のものだった。15世紀末にコロンブスが持ち帰った当初は、「大毒がある」「犬が食べると死ぬ」とさえいわれて、なかなか普及しなかったという。その後、わずか500年で全世界に広まり、各地の食文化を大きく変えたのである。
 民族植物学者である著者は、野生のトウガラシをアマゾンに探し、ブータンで世界一辛い料理を食べ、パプリカが生まれたハンガリーや京野菜である万願寺トウガラシの産地を訪ね歩く。その姿は、まさにトウガラシという「魔性のスパイス」のとりことなったかのようだ。

書名:トウガラシの世界史
著者:山本紀夫
発行:中公新書
定価:860円+税

夕刊フジ

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