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「アレー！行け、ニッポンの女たち」こかじさら著

夕刊フジの書評から
2016/3/14
 　独身子なしのアラフィフがリストラされて収入を失い、25年のキャリアは無に帰し、プライドはずたずた…。そんな崖っぷちの女が、ほとんど運動経験もないのにフルマラソンに挑戦することになった。
　きっかけは、その友人に誘われた東京マラソンの応援。友人が作った綿密なタイムスケジュールに従って東京の街を引きずり回され、彼女が見ず知らずのランナーにもジェット機の轟音（ごうおん）のような大声で声援を送る姿に圧倒されるうちに、すっかり応援とマラソンのとりこになっていた。その夜、魅入られるように、フランスワインの本場・ボルドーで開催される「メドック・マラソン」にエントリーしてしまう…。
　ちっとも生きやすくならない世の中で、すり減り疲れ切った女たちが、「応援」を通じて、前に進むエネルギーをつかんでいく。2016年、最も元気が出る小説。

書名：アレー！行け、ニッポンの女たち
著者：こかじさら
発行：講談社
定価：1300円＋税

夕刊フジ

産業経済新聞社発行が発行する、首都圏・近畿圏を中心に販売されているタブロイド判夕刊紙。ターゲットは30代～60代を中心とした都市型男性ビジネスマン。 WEB版は「ZAKZAK」（http://www.zakzak.co.jp/）で、紙面と同じ記事だけでなく、WEBオリジナルの記事も人気。 書評は毎日掲載しており、紙面ではこのコラムで掲載されたもの以外も読むことができる。

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