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「竹島―もうひとつの日韓関係史」池内敏著

  日本と韓国が(正確には北朝鮮も)領有権を主張する竹島。それぞれが正当性を主張するものの議論はかみ合わず、韓国の占拠が続いている。日本は「固有の領土」という主張を繰り返すだけでよいのか、国際司法裁判所(ICJ)に提訴したら勝てるのか。
 本書は16世紀から説き起こし、江戸幕府の領有権放棄、1905年の日本領編入、サンフランシスコ平和条約での領土画定、李承晩ラインの設定を経て現在までの竹島をめぐる歴史をたどり、両国の主張を逐一検証する。
 著者によれば、実は日韓の主張はともに根拠薄弱で、特に近代以前の資料や古地図は領有権の証明にならないという。そしてICJに提訴した場合、結論が100対0になることはありえず、何らかの譲歩を強いられる可能性が高いが、われわれにその覚悟があるかと問いかける。
 2月22日の「竹島の日」を前に目を通しておきたい1冊だ。

書名:竹島ーもうひとつの日韓関係史
著者:池内敏
発行:中公新書
定価:880円+税

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